とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

連作障害の仕組み

2018年06月06日 | 日記
本日は二十四節気の芒種。朝から一日雨でした。平年より2日早く関東甲信が梅雨入りしたそうです。

強光少雨で土が乾く5月から一転、曇りがちで多雨の6月は土の過湿による野菜の根腐れが問題になりがちです。昨秋からの取り組みによりカボチャの連作障害をどうやら克服できたようですが、ここで改めて土壌について考察し、栽培の安定化を図りたいと思います。

連作障害が起きやすい野菜の代表格として、ナス科とウリ科が知られています。どちらも繊細な細根を持ち、水はけの良い砂質土壌を好みます。ライ麦の株元に見られたようなサラサラの土が必要であるということです。


カボチャの事例に現れたように、連作障害が起きる原因は土壌の粘土化(酸性化)にあります。つまり、土が粘質化して塊になると細根を伸ばすことができなくなってしまう、という実に単純な理由です。野菜の地上部は地下部と連動しており、先ず根が伸びることで、それに対応する茎や葉が伸びます。根が新たな行き場を失えば、野菜全体の生育はそこで頭打ちになってしまいます。


慣行栽培では、石灰による土壌ph矯正と化学肥料の使用、あるいは、接ぎ木苗による粘土質土壌への耐性強化といった短期的な方策をとったりもするようですが、自然農法では、多少時間が掛かっても、それぞれの野菜に適合する土質の形成、つまり、健康に育つための基盤作りを第一に考えています。
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カボチャ用地の水はけ改善

2018年06月05日 | 日記
今年もカボチャは土手下で栽培しています。
ツルを土手に這わせてスペースを有効活用する狙いですが、土手下は上段からしみ出た水が溜まりやすいので、夏場カボチャ周りの草を刈り込んでいる内にだんだん土壌が粘土化し、カボチャの生育が悪くなってきていました。いわゆる連作障害です。その改善策として、昨秋、高めに一本畝を立ててライ麦を播いておきました。


ライ麦の株元の土は、一冬でかなり水はけが良くなりサラサラになっています。


所々ライ麦を刈り倒しカボチャを播いておきました。
今日見てみると本葉が出始めたところで、双葉が大きく広がり順調なスタートが切れていました。


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ライ麦による水はけ改善

2018年06月04日 | 日記
畝立て後の土質安定化のために育てているライ麦が間もなく登熟期を迎えます。


立てたばかりの畝では、粘土質に悪戦苦闘しているライ麦が後追いのブタクサに今にも飲み込まれそうです。


ネットで調べてみると、ライ麦栽培の適正土壌phは5.5~7.0と記しているところもありましたが、麦類は概ねph6.0以上とするのが妥当なのでは?という印象です。やはり、畝立て直後は、先ずジャガイモでph5.5~6.0に持っていき直根系の野菜に対応、その後、ライ麦でph6.0~6.5に高めてナス科、ウリ科などに対応、という進め方が無難な気がします。
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乾いた草地の土壌構造

2018年06月02日 | 日記
一昨日はブタクサなどが生える湿った草藪の土を掘ってみましたが、ちょっと気になったので対照的な場所も掘ってみることにしました。

野菜の畝に草を敷くために頻繁に草刈をした結果、イヌムギだらけになってしまった乾いた草地です。イヌムギは多年草なので刈り込みに強く、すぐに再生してきます。



大株に育ったイヌムギの際を掘ってみます。刈った草を持ち出すため枯草層およびその下の腐植層はわずかです。草藪の土が真っ黒に湿っていたのと対照的に、イヌムギの下の土は白っぽく水気が感じられません。


土の塊を手に取ってみると、ザラザラの砂質の土に細根が食い込んでいます。


ギュッと握って


手を放すと、ボロボロに崩れてしまいました。完全な砂質土壌です。粘土質であれば団子になって崩れません。


水はけが良すぎる砂質土壌では、雨が降っても直ぐに地下に浸透し、地表に水を貯めておくことができません。このような土壌では、乾燥に強いムギ類以外は良く育たず、野菜を栽培するためには保水性向上の手立てが必要になります。
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