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何でもありの記録
HN天道(てんとう)

業務停止命令

2006年05月10日 | Weblog
大手の監査法人が2ヶ月間の業務停止命令。
大手企業の契約が更改されない事態になると、この監査法人は廃業も視野に入れなければならないほどの大事件だ。

私もこの監査法人とはいろいろ関係があった。
私は監査を受ける方の立場。
監査法人と企業側の折衝は大変なものがある。企業側は弱点を世間に曝すことを嫌がるし、監査法人側は法律に従った処理がなされていなければ、その旨を監査報告書に記載するのが義務だ。
その微妙な境界線をめぐって2社間でバトルが繰り返される。
監査法人が強硬に出れば会社側はその監査法人と契約を打ち切り別の監査法人を選ぶことが可能だ。
そうなればその監査法人は顧客を失い何千万円の監査報酬を失う。
いや、何億かな。
大手企業を顧客として獲得すれば、参加の多数の関連企業をも顧客に加えることが出来る。

粉飾を見抜けないということはプロ集団にはありえない。
多少の粉飾は改善のコメントはしても目をつむる場合がある。
投資家の判断に大きな影響を与えそうな粉飾に関しては目をつむる訳にはいかない。
すぐ結果が出るし。

この世界も結構馴れ合いがある。
接待もある。
企業側が「程々にしておいてな」という訳だ。
いかな監査法人でも末端で実務を行うのは薄給の若手社員、将来は公認会計士事務所を持つことを夢見て少ない給料に甘んじている。
彼らとて甘い罠うまい話には弱いだろう。
今回はそういった若手社員の業務を社内で審査する体制の甘さが指摘されている。
JR西日本ではないが、そのような内部の審査体制は一朝一夕にしては改善できない、企業風土は変えるのが大変難しい。

覚悟して取り組んで欲しいものだと思う。
世間の人は公認会計士監査をパスしていることに対しては信頼している訳だから、心して改善して欲しいものだ。