(2012.12.28 日本経済新聞)
彼らとてこの海抜18メートルないし22メートルの防潮堤が地震や津波に耐えうるとは考えてはいない。地震や津波に抗する科学的根拠はなにひとつ示さず、ただのあてずっぽで南海トラフ地震、津波襲撃に対抗しようとしている。冗談でしょう?と言いたい。では何のために…
18メートルでも22メートルでも、最初からどっちでもよかった。18メートルに付け足す4mかさ上げの強度などを今更こちらから云々してもしょうがない。強度云々ではなくどちらが表現パフォーマンスとして効果があるかどうかの違いだけである。要するに巨大防潮壁を作って原子力発電の健在宣伝をしたいだけなのである。高さ、厚さ、長さにはなんらの根拠もない。ただ最大の巨大防潮堤を作って全国的なデモンストレーションをする事が大事だったのである。だまされてはいけない。
浜岡原発の誇大妄想的宣伝癖については古書籍にもその痕跡がある。「東海地震が起ってビルやマンションが倒れることがあっても、浜岡原発は大丈夫。地震が起ったら、浜岡原発に逃げ込めばよい」。いつの話か分からないが当時の発電所所長の談話として相当有名だったようだ。1988年9月25日発行 別冊宝島81「推進か?廃炉か?決定版原発大論争!」「巨大地震を『想定しない』地震危険地帯の原発群」(地質学者 生越忠 おごせ・すなお)より引用。
※この別冊宝島は知る人ぞ知る大特集で、原発問題については百科事典的に詳しく、新鮮である。
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…原発ムラでは、安全性や、科学的道理、歴史的惨事には本当のところ無関心である。マグニチュード9.0の地震はもう1000年来ないであろう、と考えている。巨大な防波壁は外目にはまるで浜岡原発を守っているように見えるだろう、と考えている。極端なことを言えば彼ら原発ムラの住人たちは原発が再運転すればさえいいのである。……