─読売新聞より転載─
閉伊川水門に漁船航路・・・県、宮古市議会に報告
県は22日、宮古市議会全員協議会で、閉伊川河口付近に設置する水門の概要を報告した。管理棟の間に可動式のコンクリート壁を設置し、津波発生時には川底まで降ろして逆流を防ぐほか、通常時には四つの門のうち一つを漁船の通行が可能な航路部にする。幅約6メートルの管理橋には、片側1車線の車道を整備する。県は今年度内に住民説明会を開き、2013年度内の着工を目指す。
県が提出した概略設計図によると、水門は幅約154メートルで、管理棟を含めた高さは水面から約30メートル。管理棟の間には、高さ約7・6メートル、幅約35メートルの可動式コンクリート壁をそれぞれ設置する=図=。停電時には自家発電を利用し、遠隔操作で開閉するという。水門に航路部を備えるのは県内で初めて。総事業費は155億3000万円。
市議からは、コンクリート壁の強度や景観に与える影響などを不安視する声や、管理橋に車道だけでなく、歩道や自転車専用道の整備を求める声が上がった。完成時期は未定。県沿岸広域振興局宮古土木センターの加藤郁郎所長は、「協議会での意見を踏まえて事業内容を精査し、早期の完成を目指したい」と話した。
─岩手日報より転載─
宮古・閉伊川水門に漁船用の扉 県内初の「航路部」
宮古市は22日、県が津波防災施設として建設する閉伊川水門(全長154・4メートル、高さ10・4メートル)の概略設計を明らかにした。門扉は当初案の5カ所から4カ所に減らし、漁船が通過する航路部を設置。鍬ケ崎地区と藤原地区を結ぶ高さ15・3メートルの管理橋も設ける。2013年度早期の着工を目指し、5~6年程度で完成を見込む。
水門は閉伊川河口部に建設され、10・4メートルの高さに整備される防潮堤に接続。門扉(幅34・8メートル)は固定式のコンクリート壁と可動式の鋼製ゲートを組み合わせた構造となり、非常時はゲートを水中に下ろして津波を防御する。
門扉の1カ所は航路部とした。水面から管理橋の下端まで11・6メートルの高さを確保。非常時は2段式の鋼製ゲートを閉じる。閉門作業は遠隔操作できるようにして、内部電源も確保する。航路部を設けた本格的な水門は県内初となる。
両紙を比較しつつまず中味を理解する事だ。(私自身まだ理解にいたっていない)。市議会議員からは非本質的な意見や声が多かったようだが、この水門は本来無用のもので、管理橋の自転車走行などはもちろんの事、デザインや漁船の航路、操作性なども本質的な問題ではない。本質的問題は水門という景観、河川環境に及ぶ影響、津波防災にとっての地域エゴイズムなどである。技術的にも航路問題のほか、そもそもの力学的強度、開閉作業、電源確保など不確実要素が多すぎる。
再度原点に立ち返って、宮古湾岸一帯の住民一人一人の判断を尊重するべきである。