福島第1原発排気塔解体
汚染水が集水箱から漏れ出たか
NHK 福島 NEWS WEB(2019.11.27)
東京電力福島第一原子力発電所で、事故で汚染された排気筒の中に降り、1リットルあたり2000万ベクレル以上 という高い濃度の放射性物質を含んだ雨水が、地中に漏れ出たと見られることが分かりました。
東京電力は、環境への影響は確認できていないとしています。
福島第一原発にある高さ120メートルの排気筒は、事故の際、放射性物質を含む気体が放出された影響で、内部が激しく汚染されていて、周囲の地下には、排気筒の中に降った雨水が漏れ出てきた際にためておく、深さ1メートルのコンクリート製の集水箱が設置されています。
たまった雨水は、放射性物質の セシウム137が、1リットルあたりおよそ2000万ベクレル含まれるなど、高濃度の汚染水になっています。
集水箱は、水位が40センチを超えると排水ポンプが自動で起動し、専用のタンクに送る仕組みになっていますが、東京電力によりますと、ポンプが起動していない時にも、水位が下がっていた ことがわかったということです。
水位の低下は、台風19号が接近していた先月11日以降、27日までに8回起きていて、東京電力は、コンクリート製の集水箱に穴が空いている可能性があり、高濃度の汚染水が地中に漏れ出たと見られるとしています。
東京電力は、周辺の地下水の放射性物質の濃度には変化が見られず、環境への影響は確認できていないとしていますが、今後、汚染水が漏れ出るのを防ぐ対策を検討するとしています。
11月27日 21時11分
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福島第1原発排気塔解体
排気筒解体 風で人力切断を中断
NHK 福島 NEWS WEB(2019.12.3)
福島第一原発で行われている排気筒の解体作業は、遠隔操作の切断機にトラブルがあったことを受けて、人力による作業が、3日、始まりました。
夕方には作業員が高さ110メートルほどの場所に上がり、電動のこぎりを使って切断に取りかかりましたが、作業は強風のため中断され、4日以降再開されることになりました。
福島第一原発で解体作業が行われている排気筒は、原発の構内で最も高い構造物で、事故の際、放射性物質を含む気体が放出され、内部が汚染されているほか、水素爆発などの影響で鉄骨にひびも見つかっています。
東京電力はことし8月から遠隔操作による切断装置で、少しずつ解体を進めていますが、先月、切断装置の刃が抜けなくなったため、3日から人力での作業が始まりました。
作業は、高さ110メートルほどの場所で行われ、NHKのヘリコプターで午後4時ごろに撮影した映像では、ヘルメットと防護服を身につけた作業員が準備している様子が確認されました。
排気筒頂上にへばりついて切断従事する作業員(2019.11.3 web朝日新聞)
東京電力によりますと、その後、作業員はブランコのような器具に座り、電動のこぎりで切断する作業に取りかかったということです。
しかし風が強まったため、東京電力は午後5時半ごろに作業を中断し、4日以降再開する予定です。
今回の人力による作業を終えたあとは、切断装置を整備した上で、遠隔操作で解体作業を続けたいとしています。
東京電力は、風の強さが秒速6メートル(時速21.6m)を超えれば作業を行わないとしています。
12月03日 19時18分