あきれはてた、守銭奴、土木学会
日本経済新聞 2018.6.8
この奇異なニュースは新聞、テレビなど全国のマスコミで一斉に報じられた。経済新聞だからというわけではないだろうが、内容は来るべき大災害の損得勘定である。土木業界と学会、政府の偏向した最悪のシナリオが透けて見える。臆面のないマスコミ発表の仕方にもあきれる…
災害ビジネスのたらい回し
学会は土木業界に雇われている。
先の東日本大震災の土木被害の、検証や、新しい科学的知見、学際協力など、全く手がつけられておらず、まさに土木学会の権威が怪しまれている時、このような金勘定を全面に立ててきた。もはや学問や科学というものではない。全ての巨大数字の根拠もなく「直接被害」「20年の経済被害」などそれぞれの段階の概念の説明もない。東日本大震災のとき、人間的反省も無く、科学的裏付けもない工事費を、国民にツケまわしたノウハウの再現を目指しているようだ。
土木学会とは?
効果、意味不明、根拠薄弱な防災工事多発。
南海トラフ損害「政府見積り」170兆円に対して、さしたる根拠もない意味不明な「20年間の経済的被害」1240兆円を加算して1410兆円とした。しかし40兆円の(予防的?)投資で509兆円損害を減らせるなどとしている。まるで欲にまみれた中学生のする経済ゲームを見る思いだ。幼稚な計算だけの狸おやじのする営業的皮算用。これでもって業界にハッパをかけ、営業利益の見込み宣伝で業界を纏めようとしている。政府が(自らを恥じる事もなく)この業界の方針に営々と従う事は目に見えるようだ。
恥も外聞もない土木学会。
二度目の破綻にも反省なし、三度目に突入。
東日本大震災では防潮堤をはじめとする海岸保全の古い土木工事の破綻が証明された。東日本沿岸に死屍累々と横たわった残骸は今も残っている。そしていま、東日本大震災後も、同じノウハウ、同じ規模の防潮堤などの大土木工事が二度目の破綻に向けて突っ走っている。二度目の破綻とは言うまでもなく国土の毀損であり大自然の破壊である。
…いまここに愚劣な三度目の正直が顔を出した。
ある程度の災害シミュレーションやその収支予算は行なわれなければならないが、それがそのまま円環収束するはずはなく、その金銭収支に遍すべきものでもない。土木学会がするべきはずの破綻の原因究明、現状把握調査などは国民の納得が得られるには遠く、全く手つかずと言っていい。この持病の営業的貪欲に席を譲って東日本大震災の沿岸被災検証すら十分に行なわれていないのだ。土木工学的検証という言葉がただの願望として語られている現状の主な責任は日本土木学会にある。土木業界と癒着し、政界、官界に息をかけられて、手も足も出ない状態がつづいていて、年寄り学者を先頭にこのような事態にまでのびきって赤恥をさらけ出している。
出よ、新進学者・学生諸君!!
若い学者・学生諸君には土木学会のことだけではない、あらゆる学際を越えて、伝統ある日本の土木工学の再建をゼロベースから始めてもらいたい。古い業界(学界)には改革の余地はもはやなくなっている。生物学や物理学、論理学など近隣の科学はもちろん、ほとんど理科系の枠組みも越えてすベての分野の若い発想を巻きこんで新しい日本の土木学会の再構築を目指してほしい。
☆
注意)土木「学会」というからには、一般工学や土木工学、建築工学などの学問領域の学界=学会だと思ってこのページをつくった。さにあらず、土木学会とはたんに土木業界のことだという事が分かった。記事を読んでいて書いていて不信感(自分自身に対する)を感じたがネット検索してみて即そのことがはっきりした。土木業界、土木業組合、土木業協会と呼ぶべき実業界組織であって、先端科学や学問体系とは縁もゆかりも直接結びつかない異界の現実であったのである。最後の段落「出よ、新進学者・学生諸君!!」などは私自身が恥ずかしい! 清新の学徒に対して失礼でもあった。
しかし、このような区別立て、個人的誤解を越えて「土木学会」がわが国においては土木業界・建設業界の頂点に君臨し、そのような関係性に関連する科学、教育機関、学者、学生に大きな影響力をもち、ほとんど一体的にその成果を享受していることも事実である。学者の育成、工学系の学生の就職口というように…
学=学問、科学と一体的だからといって、一体であるはずはない、というところはしっかり押さえておく必要がある。科学と業界のそれぞれの矜持をしっかり自覚し、利害の海に溺れることなく、それぞれの世界は独立的に、独立して発展しなければならないはずである。なんとしても癒着だけは避けなければならない…
詐欺的な呼称を止めることも含めて、碩学の士に、このあたりの分かりやすい説明をしていただきたい。
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