11月27日、予定日を一週間後に控えての定期検診の日。
この日診てくれる先生はアンジェリー・トーマス先生。
私が行っている産院は、5人の産婦人科医(女4人男1人)からなっていて、自分の担当医はいるものの、その先生が忙しい時は、あいている先生や当番の先生が診ることになっている。
私の担当医はすごく人気が高くて予約を取るのが難しい。
っというのも、始め産婦人科医を選ぶ時、誰がいいか分からなかったから、人気度統計の一番にいた彼女を選んだの。
でも実は私、自分の担当医よりこのアンジェリー先生の方がすきなのよね。
たまたま一度アンジェリー先生が診てくれた時、私は彼女に一目惚れをしてしまった。
それからというもの自分の担当医の予約を取るのが難しい時はいつもアンジェリー先生をお願いしてきた。
すらりとした長身のまるでモデルのような黒人女性。
愛想を振り撒いたりはしないものの、きちんとしていて、何でも親身になって聞いてくれるし、的確なアドバイスをくれる。
かっこいい女医って感じ。
まぁ、それは置いといて、この日初めて子宮口のチェックをした。
「何か変わったことは?」
「少量の出血が数回ありました。それからかる~い前駆陣痛を一日に何度か、特に夜感じます。」
「そう。出血は少量なら心配することはないわ。ちょっと子宮口のチェックをしてみましょうね。」
「周りが『いつ産まれるのか?』とうるさくてぇ。」
「う~ん、子宮口はすっごく柔らかくなっている。でもまだ開いてはないわねぇ。さぁねぇ、いつ産まれるかなぁ。ある人は一気に開くし、ある人はゆっくり徐々に開くし、いつ産まれるかはお医者さんでも分からない。」
・・・そっか、子宮口はまだ開いてないんだ。気長に待つことにしよう。
12月3日、最後の検診の日。
それからまた一週間が過ぎたというのに、何の気配もない。
この日診てくれる先生は担当医のジル・フォリー先生。
入ってくるなり彼女は言った。
「あらあなた、まだいたの?」
「はい、まだ産まれません。」
「先週ほとんどの赤ちゃんが産まれたのよぉ。すっごく忙しかったんだから。何か変わったことや気になることは?」
「特に何も。もういつまでたっても産まれないような気になってきました。」
「あははは、それはないわよ。じゃちょっと子宮口のチェックをしてみましょうね。」
「・・・どうですか?」
「あら、開いてる開いてる、3cm開いているわよ。これは近いわねぇ。」
「明日ですか明後日ですか。」
「どうかしら。来るかもよ。」
そうかぁ~、3cm開いているんだ。でも、本当にもうすぐうまれるのかなぁ。
12月4日
先生は近いといったものの、何の変化もなく一日が過ぎようとしていた。
姑が言う。
「産まれそうだったら前もって言ってね。私達にも予定があるんだから。」
前もって分かるんだったら苦労はないよ。。。
明日は予定日の12月5日。
産まれそうにないなぁ。
可能性的には2~3日後の方がありうるなぁ。
え、そしたら12月7日か8日ってこと?
うわぁ、最悪!!!
アメリカ人と日本人の子供が、真珠湾攻撃の日に産まれることになる!
真珠湾攻撃はアメリカ時間で12月7日、日本時間では8日。
うんもう、2日もあったら可能性は倍じゃないかぁ。
それに12月8日というと実は私の母の誕生日でもある。
母が生きているんだったら面白い話のねたになるだろうけど、死んだ母の誕生日と一緒なんて、なんか生まれ変わりみたいで縁起悪。(ごめんよ母ちゃん)
いやだよぉ~、お願いだから真珠湾攻撃はやめてくれ、その2日だけは避けてくれぇ。
マー君を寝かしつけながら、自分も一緒に眠りについた。
ふと目がさめると夜中の12時。
一階でガタゴトと音がする。
どうやら夫はまだ起きているらしい。
夫は「もうすぐ産まれるぞ~」っとフリーランスの翻訳の仕事を終わらせるため昨夜もほとんど寝てない。
また眠りにつこうとしたものの、一旦目がさめるとなかなか寝付けないのが臨月妊婦のつらいところ。
1時間くらいは経っただろうか。
今夜は胎動をいやに激しく感じる。
胎動だけではなく、軽い前駆陣痛もあっているようだ。
イタタタタ。それにしても今夜はよく動くなぁ。イタタタタ。
っとその時、トロ~~っと生暖かいものが。
え?破水?
急いでトイレに駆け込み生理用ナプキンをあてる。
破水に違いない。でもこんな少量で電話するのもなぁ。。。
っとおもっていると、また軽い前駆陣痛を感じてそのとたん
ドロドロ~~~
うわ!本当に破水だ!ナプキンなんかじゃ足りない。
バスタオルを持ってきて当てる。
12月5日午前1時破水
よっしゃぁ~来たぞ来たぞ、ついに待ちに待った出産の時を迎えるぞ~。
よかった、真珠湾攻撃はどうやら避けられそうだ。
急いで夫に知らせに行く。
(続く)
この日診てくれる先生はアンジェリー・トーマス先生。
私が行っている産院は、5人の産婦人科医(女4人男1人)からなっていて、自分の担当医はいるものの、その先生が忙しい時は、あいている先生や当番の先生が診ることになっている。
私の担当医はすごく人気が高くて予約を取るのが難しい。
っというのも、始め産婦人科医を選ぶ時、誰がいいか分からなかったから、人気度統計の一番にいた彼女を選んだの。
でも実は私、自分の担当医よりこのアンジェリー先生の方がすきなのよね。
たまたま一度アンジェリー先生が診てくれた時、私は彼女に一目惚れをしてしまった。
それからというもの自分の担当医の予約を取るのが難しい時はいつもアンジェリー先生をお願いしてきた。
すらりとした長身のまるでモデルのような黒人女性。
愛想を振り撒いたりはしないものの、きちんとしていて、何でも親身になって聞いてくれるし、的確なアドバイスをくれる。
かっこいい女医って感じ。
まぁ、それは置いといて、この日初めて子宮口のチェックをした。
「何か変わったことは?」
「少量の出血が数回ありました。それからかる~い前駆陣痛を一日に何度か、特に夜感じます。」
「そう。出血は少量なら心配することはないわ。ちょっと子宮口のチェックをしてみましょうね。」
「周りが『いつ産まれるのか?』とうるさくてぇ。」
「う~ん、子宮口はすっごく柔らかくなっている。でもまだ開いてはないわねぇ。さぁねぇ、いつ産まれるかなぁ。ある人は一気に開くし、ある人はゆっくり徐々に開くし、いつ産まれるかはお医者さんでも分からない。」
・・・そっか、子宮口はまだ開いてないんだ。気長に待つことにしよう。
12月3日、最後の検診の日。
それからまた一週間が過ぎたというのに、何の気配もない。
この日診てくれる先生は担当医のジル・フォリー先生。
入ってくるなり彼女は言った。
「あらあなた、まだいたの?」
「はい、まだ産まれません。」
「先週ほとんどの赤ちゃんが産まれたのよぉ。すっごく忙しかったんだから。何か変わったことや気になることは?」
「特に何も。もういつまでたっても産まれないような気になってきました。」
「あははは、それはないわよ。じゃちょっと子宮口のチェックをしてみましょうね。」
「・・・どうですか?」
「あら、開いてる開いてる、3cm開いているわよ。これは近いわねぇ。」
「明日ですか明後日ですか。」
「どうかしら。来るかもよ。」
そうかぁ~、3cm開いているんだ。でも、本当にもうすぐうまれるのかなぁ。
12月4日
先生は近いといったものの、何の変化もなく一日が過ぎようとしていた。
姑が言う。
「産まれそうだったら前もって言ってね。私達にも予定があるんだから。」
前もって分かるんだったら苦労はないよ。。。
明日は予定日の12月5日。
産まれそうにないなぁ。
可能性的には2~3日後の方がありうるなぁ。
え、そしたら12月7日か8日ってこと?
うわぁ、最悪!!!
アメリカ人と日本人の子供が、真珠湾攻撃の日に産まれることになる!
真珠湾攻撃はアメリカ時間で12月7日、日本時間では8日。
うんもう、2日もあったら可能性は倍じゃないかぁ。
それに12月8日というと実は私の母の誕生日でもある。
母が生きているんだったら面白い話のねたになるだろうけど、死んだ母の誕生日と一緒なんて、なんか生まれ変わりみたいで縁起悪。(ごめんよ母ちゃん)
いやだよぉ~、お願いだから真珠湾攻撃はやめてくれ、その2日だけは避けてくれぇ。
マー君を寝かしつけながら、自分も一緒に眠りについた。
ふと目がさめると夜中の12時。
一階でガタゴトと音がする。
どうやら夫はまだ起きているらしい。
夫は「もうすぐ産まれるぞ~」っとフリーランスの翻訳の仕事を終わらせるため昨夜もほとんど寝てない。
また眠りにつこうとしたものの、一旦目がさめるとなかなか寝付けないのが臨月妊婦のつらいところ。
1時間くらいは経っただろうか。
今夜は胎動をいやに激しく感じる。
胎動だけではなく、軽い前駆陣痛もあっているようだ。
イタタタタ。それにしても今夜はよく動くなぁ。イタタタタ。
っとその時、トロ~~っと生暖かいものが。
え?破水?
急いでトイレに駆け込み生理用ナプキンをあてる。
破水に違いない。でもこんな少量で電話するのもなぁ。。。
っとおもっていると、また軽い前駆陣痛を感じてそのとたん
ドロドロ~~~
うわ!本当に破水だ!ナプキンなんかじゃ足りない。
バスタオルを持ってきて当てる。
12月5日午前1時破水
よっしゃぁ~来たぞ来たぞ、ついに待ちに待った出産の時を迎えるぞ~。
よかった、真珠湾攻撃はどうやら避けられそうだ。
急いで夫に知らせに行く。
(続く)