今月の4日、19回目の結婚記念日であった。もうすぐ結婚20年である。よく別れなかったものである。ワシはけっこうマイペースだから、彼女ががまんする所はがまんしてくれているおかげだと思っている。
一応、けっこう長くつきあって、恋愛結婚したつもりなのだが、今ではその影もない。こんなに長く、一緒に暮らしていると、いったい何だか、彼女とワシとはどういう関係なのか、よくわからなくなったりもする。
とくによくわからないのは、風呂上りで、すっぱだかで彼女の前を歩いているときである。ふと冷静になって、いわば他人の、女性の前で裸でいることに気がついて、絶句寸前になったりする。もっとすごいのは、長い結婚生活だから、みっともないところを彼女に見せたこともある。ひとにはいえないが。
考えてみれば、夫婦といえど、血はつながっておらず、土台はあくまで他人であるという認識をすることは、お互いの人間性を尊重するという点ではよいことなのだと思う。他人と思えば、悪態もつけないし、甘え過ぎず、恋人に近い関係を取り戻せるチャンスなのではないだろうか。