![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/27/7545477a8716db49357d1c4fa0a9016c.jpg)
ま さ き く あ ら ば
・・・という映画を観てきた。
今年初めて観た映画がこれ。
ここは映画ブログではないので多くは述べないが、色々な意味ですごい内容だった。
主演の尾野真千子さんというのは、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲った「殯の森」で主演を演じた女優さん。
「殯の森」は、相当前になるが、いつかどこかで観たことがある。
とても素敵な印象の女性だと思っていた。
しばらく映画など観ていなかったので忘れていたのだが、今回その尾野真千子主演映画ということで、わざわざ遠出して映画館まで足を運んだのだ。
この映画、設定はごく普通の純愛映画なのだろうが、ストーリーは非常に刺激的で官能的。
人間の綺麗な部分も醜い部分も、露骨なまでに表現されている。
ひとつ間違えば官能映画にもなりかねない作品を、こんなテイストの映画にできるのは、尾野真千子という女優の力も大きいのだと思う。
もちろん、監督やプロデューサーの作り方もあるのだが。
この映画で改めて感じたのは、尾野真千子という女優が、スクリーンの役の中で一番素敵に見える女性だということ。
それはどこか蒼井優という女優さんにも似ている。
役による印象も大きいのだろうが、それでもあんな演技は普通の女優ではなかなかできない。
そんな風に思った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/e8/87e1ea3008f2518432e87b3faf97731c.jpg)
だから何だってことでもないが、あまりにもアタマに余韻が残る映画だったので少し紹介したくなった。
あえてオススメはしないが、どうせ観るならばレイトショーで観るのがいいと思う。
友人や彼氏彼女を家に残して、一人で観るのがいい。
ちゃんと観れば、脳内分泌液が多く出る映画のようだから。
そして見終わった後に感じるのは、きっと純愛映画のそれではないであろう。
R-15指定らしいが、このような映画はR-18でもいいと思う。
腰を何回動かしただとか、見えたとか見えないとかそんなことではなく、もっと違う基準で。
歳を重ねれば誰もが自覚する、どうしようもない人間の性(さが)。
物語の中でもコントラストされて見える、歪んだ人とそうでない人。
でもどちらが正しいかとか、普通だとか、誰も決められる人はいないのではないか。
最近になって思うのだ。
母親のお尻の穴から大便を取り出す。
傍から見たら普通じゃない。
でもそれを普通にようにやらなければならない人間もいる。
決して変態ではない。
母は病気なのだから。
そう見えるだけであって、そこにはワケがあるのだ。
それでも赤の他人は、それを見れば揶揄し批評したいと思う。
それも普通だと思う。
じゃあ誰が異常なんだ?
・・・・・誰も異常なんかじゃない。
そこに真摯に向き合う姿勢があるのなら。
それが興味本位になったとき、人はただの変態に落ちぶれるのだ。
そしてそれらを映像にし、客観的に見せるのが映画というもの。
笑わせるのか、泣かせるのか、考えさせるのか、それは作る側の人間次第だ。
ただいくら綺麗事を並べたって、人間はいつだって簡単に落ちぶれる。
この映画の余韻は、その自分の中の危うさを自覚させるものではないかと思う。
愛と性いう、一番興味本位になりがちなテーマを利用して。
自分が10代の頃に、この映画を観なくてよかったと思う。
きっと歪んだ感情でしか観られない映画だったに違いない。
だがあえてこの映画のジャンルを問われるならば、やはり純愛映画であろう。
この物語の主人公達が異常と言うならば、ネットの中で言葉だけでつながろうとするコミュニティの住人の感情は、みんな歪んでいると言えるのかも知れない。
真幸くあらば。
そう願う。