どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

川崎競馬場。

2007-09-17 | 競馬余談

古くて新しい。
それが川崎競馬場の魅力。
大井競馬場のように、全てが最先端であるというわけではありません。
他の多くの地方競馬場のように、時代のムーヴメントから取り残されてしまっているという感覚もありません。
川崎競馬場は、古き良き昭和の時代の匂いを今だ至る所に残し、それでもなお未来へ向かって新鮮さを感じさせる不思議な競馬場です。


スパーキングナイターと称される日本で数少ないナイター開催を行う川崎競馬場ではありますが、その趣はその最先端を行く大井競馬場のそれとは少々違う感じがします。
全てがコンパクト。
そして等身大。
以前、毎開催ごとのように通っていた頃には気付かなかったことですが、それは私にとって非常に心地良い感覚です。
パドックで馬とファンとの距離が近いことは地方競馬の魅力ではありますが、川崎競馬場はそれにもまして、コースと観客との距離が非常に近いことが特徴。
コースの幅員は他の地方競馬場とさほど変わりはないのですが、そのフェンスの向こうのコース側に垣根のような余分なスペースがないことがそう感じさせる要因でしょうか?
本場場入場の際に各馬、各ジョッキーが、観客席側の外ラチ沿いを行進している時などは、まるで馬に手を触れられそうに思えるくらいの近さです。
(名古屋競馬場では内ラチ沿いを行進する。)


私はそこで、馬を見る。
馬のしぐさや表情を見る。
ジョッキーの醸し出す雰囲気を見る。
新聞を見ながらネット競馬をしている時にはあまり感じないことですが、それはレースを楽しむ上で非常に重要なことのように思えます。
実際のところ、それが馬券の的中に繋がるかどうかは分かりませんが、少なくともそのレースに気持ちが集中し入り込むことができるようになるのです。
特に私にとっては、それって非常に大事なこと。
そこで私は、そのレースの中の一員になれる気がするのです。
また、予想をするにせよ、馬同士の力関係は新聞を見ればだいたいわかりますが、その日の調子などはやはり馬を実際に見なければわからないでしょう。
それはパドックを見れば事足りてしまうことなのかも知れませんが、さらにそこで、私はジョッキーの思惑なんかもイメージできるような気がするのです。
馬の息遣いを間近に感じながら、返し馬の最中の私の意識はジョッキーと同調してコースの中に漂っています。
まあ簡単に言えば、それは私がレースに集中するためのルーティーンのようなものなのかも知れません。
パドック、本場場入場、返し馬・・・・・。
だんだん馬が近くなる。
だんだんレースが私の中に入ってくる。
そんな感覚です。
展開を予想し、起こりうる結果を想像し、そして実際にレースをその目で追い、その後の展開を即座に想像し、そして最後の直線で結果がだんだん見えてくる。
もちろん、最良の結果を願う。
私には、その一連の流れが、とても楽しいのです。
馬券に当たり外れはあっても、そのことは競馬を興味深く楽しむ上で非常に大切なことです。
そして、それらが全てが手軽にすぐ目の前で感じることができる川崎競馬場は、私がこの競馬場を心地よく感じさせる要因なのかも知れません。


そして、レース。
ゲートが開く。
私の目の前を、ライトに照らされた馬たちが迫力満点に通り過ぎて行く。
蹄鉄が砂をたたく音。
ムチの音。
馬の息遣い。
予想と違った展開に慌てふためく。
2周目。
まず仕掛けどころは3コーナー。
ジョッキーの動きがだんだん激しくなる。
馬群が詰まる。
直線を向いて、そこからが競馬の最大の醍醐味!!
”イケェ~!!”
思わずその瞬間に声が出てしまうのは私だけではないでしょう。(笑)


それにしてもこの川崎競馬場が、実際の幅員よりも馬が近くに感じられるのはなぜなのでしょう?
夜だから?
垣根がないから?
馬の迫力が、他の地方競馬場とは全然違うのです。
それはカーブが急という特有のコースの形状のせいもあるのかも知れません。
レースのスピードが急激に変わる各ジョッキーの追い比べが、丁度4コーナー過ぎ辺りの観客の目の前で一気に行われるのです。
(名古屋競馬場は円形に近い形状で比較的早めからまくりやすい。)
それはモニターの中の競馬からでは、なかなかわかりづらい感覚。
そこでは、その勝負へのジョッキーの想いの強さが、そこからヒシヒシと伝わってきます。
もちろんそれは、ただ私がそう思い込んでいるだけなのかも知れませんが。。。
私はたぶん、その瞬間はレースに入り込んじゃってますからね。(笑)





夜。
馬場を照らすす照明塔の光。
内馬場の芝生。
ざわめく人々。
明るい観客席の無数の人々の目。
空。
そこに、大好きな競馬がある。
競馬を純粋に楽みたい人々が、他の全てを取り払って得た最高の楽園。
そこには、大井競馬場のような最新の設備も、お洒落で華やかな雰囲気もいりません。
夕闇の川崎競馬場は、そんな気分にさせてくれる不思議な競馬場であります。




内馬場の芝生で寝転がって、
そして夜空を見上げながら、・・・・・・・誰かを待つ。




かつてそんな日も、あったっけか。。。。。(笑)








それでは、また。














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