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千葉ロッテマリーンズ生え抜き、23年目の大ベテラン堀幸一選手が、去る11日にとうとう戦力外通告を受けた。
かつてオリオンズ時代からの最後の生き残り。
41歳といえば自分と同い年。。。
省みれば、明日は我が身の今日この頃である。
やはり来る時が来たか・・・、いや、そうではない。
彼はまだ、現役にこだわっている。
終わってたまるか。
まだ彼は死んではいない。
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ネット界隈では、さまざまな憶測が飛ぶ。
フロント批判は、もはやこの球団のサポーターの日常茶飯事。
体制(東京)を嫌う千葉県民の特性か?
まあ、結局のところ詳しくはわからない。
アラフォーという年齢、昨年オフに一度コーチ就任を示唆されて固辞したという経緯もある。
どちらにせよ、遅かれ早かれ覚悟はしていた同年代のファンとしての自分。
球団から出てくるコメントは、当然のことながら当たり障りのないものだった。
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堀幸一を愛する一人としての記事
→ 「ベテラン。」 (2008年7月8日 当ブログより)
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前述の「ベテラン。」という記事は、2年前にこのブログで書いたものだ。
自分が今でも「堀幸一」という選手の大ファンであるということが、ここからの内容の大きな前提だ。
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球団としても、いつまでも老兵に居座られていては困るのも確かなこと。
時に、将来を見据えた若い力の台頭を妨げることもある。
それは一般社会でも同じことだ。
自分の会社でも、いまや早期退職を優遇する動きはごく普通のことである。
全ては組織優先で動いている。
どんなに足掻いても、社会はそういうものだ。
若い方にはまだ理解しづらいことなのかも知れないが。
一方、長い間チームを支えてきた功労者として扱いたいというのも嘘ではないだろう。
23年というのは、決して短い時間ではない。
走、攻、守、全ておいて、チーム事情に合わせてマルチに働いた。
過酷な起用によるものだったか、かつて大きな故障も何度か乗り越えた。
「ミスター○○○」とは呼ばれなくとも、チームに一番貢献した選手かも知れない。
昨年オフのコーチ要請。
そして今回のフロント入り要請。
チーム編成上の構想外であっても、何とか体裁はとっているようにも思える。
まあ、この球団にしてみれば、上出来ではないか。。。
自分もクビになるとき、そんな風に言われてみたいものである。
クビはイヤだが。。。
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ただひとつ、解せないことがある。
それは今季、一度も一軍に呼ばれなかったことだ。
昨オフにどういう話になっていたのかは知らないが、これでは生殺しではないか。
ファームでもソコソコの打率を残していたようだし、昨季契約をした以上、ソコは勝負の世界のはずだ。
成績を残せば、ヒノキ舞台に上がらせるべきだと思う。
生え抜きの大ベテランをトレードに放出しようものなら、また何を言われるか分からない・・・。
かと言って、活躍されようものならまた現役を続けられてしまうかも知れない・・・。
それならば、ファームで1年間生かさず殺さず・・・・・。
ここまで来ると、そんな思惑がどうしても見え隠れしてしまうのである。
それは、現役にこだわる職人にとっては一番つらいことであろう。
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一番の問題は、マリーンズの若手選手の伸び悩みなのかも知れない。
堀幸一の出番がないほど、若手が今季ガンガン活躍していればファンも納得がいく。
もしかしたら、堀幸一自身も。
確かに充実してきたレギュラー陣に、もはや堀幸一が入る隙間はないのかも知れない。
ただ、代打の切り札としてのポジションはどうだろうか。
特に今年のマリーンズの右打者の代打の手薄さは、目を覆いたくなる惨状だ。
将来有望な若手選手たちに伸びてきて欲しい・・・、確かにそれもある。
ただ、今はもう9月なのだ。
そういう時期ではないだろう。
優勝をも争っている最中に、これまで以上にプレッシャーのかかる厳しい場面も増える。
いまだに終盤にもつれた展開で、代打でコールされる人間が、「堀幸一」以上であるように思えないのは悲しくてならない。
優勝して欲しい。
堀幸一に出てきて欲しい。
若手にも伸びてきて欲しい。
どれも、偽らざる心境だ。
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先月末、福浦や小野晋吾の同期、大塚明選手が引退を発表した。
GO!GO!オオツカアキラは、来季はコーチ就任だそうである。
それよりさらにベテランの堀幸一は、現役にこだわる。
選ぶ道、選ぶ生き方は、人それぞれだ。
どちらが正しいなんてない。
賢い生き方ばかりが、素晴らしいとも思わない。
その辺は、自分と、もしかしたら少しだけ似ているのかも知れない。
ただ堀幸一には、マリーンズで花道を飾ってもらいたいというファンとしての親心みたいな気持ちもある。
同い年。
自分は、41歳のその意欲に敬意を表す。
そして、思いを成就させて欲しい。
オリオンズでもマリーンズでもない、どこかのチームで・・・。
まだ彼は死んではいない。