どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

ゆきてかえらず。

2010-08-05 | Sandstorm


HEATWAVE  アルバム「陽はまた昇る」(1992)より


 「ゆきてかえらず」


  美しき河は流れ
  そのほとりに僕は立ち
  寄せてはかえす日々の中で
  愛しきひとを想う


  人と出会い そして別れ
  幾度も日はあけたけれど
  きっと今日の出来事など
  また忘れてしまうだろう


  悲しみは人に告げず
  この胸にしまっておけるなら
  橋を渡り 河を越え
  永遠の旅人よ
  想いはゆきてかえらず



  彼方の山を越えて
  虹が立つと人は云うけれど
  誰よりも老いを怖れ
  霞の中ににじむばかり


  どんなに胸が痛くても
  悲しき時に石になれず
  飽きた時にロバになれず
  淋しき時に犬にはなれぬ


  悲しみは人に告げず
  この胸にしまっておけるなら
  橋を渡り 河を越え
  永遠の旅人よ
  想いはゆきてかえらず



  いつか土へと還る時
  魂は煙となりて
  風に吹かれ 野山を越えて
  はじめて天に届くとしても


  どうせ漂う日々ならば
  風に向かって砂を投げ
  焦がれて生きる日々の空に
  七色の円を描いてみたい


  悲しみは人に告げず
  この胸にしまっておけるなら
  橋を渡り 河を越え
  永遠の旅人よ
  想いはゆきてかえらず



            作詞:山口洋 (HEATWAVE)








HEATWAVEのメジャーでの3rdアルバム「陽はまた昇る」は、自分が初めて彼らの曲に出会ったアルバムだ。
初めて上京して暮らし始めた1995年、西武池袋線の東久留米駅前の小さなCDショップで見つけた。
彼らのアルバムは既にいくつかのタイトルが並んでいたが、なぜかこのアルバムのタイトルに惹かれた。
思えば自分にとって1995年は、何を見ても何を聴いても新鮮だったような気がする。
初めての東京暮らし(正確には埼玉)で、何かにつけて気持ちは高揚していた。
CDをセットし流れ始めた最初の曲「明日のために靴を磨こう」。
今考えれば、あれが、それから10年の長い旅の始まりだった。
あの頃の自分には、夢というか希望というか、人生へのワクワク感が一番あった時期のような気がする。
どんな気持ちでその最初の曲を聴いたのか、とうに忘れてしまったが。
2005年、母の病気で名古屋に帰ってくるまでのその間は、いまだに自分の中ではブラックボックスのようである。
名古屋に帰ってきたときの自分は、もうすでにあの頃の自分ではなかった。
2010年。
そして最近改めて、彼らの曲に触れている。
「ゆきてかえらず」。
何気なく口ずさめるほどに、それは心の中に沁みついていた。











   

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