
1月25日の大井競馬、12レース。
かつてのリーディングジョッキー石崎隆之騎手の騎乗は見事だった。
4番人気、1着。
息子、石崎駿騎手でも勝たせることが出来なかった馬を見事勝利に導いた。
体力は衰えても、その腕は微塵も劣化してはいない。
確かにいくら腕が達者でも、勝ち負けできる程度の馬でなければ勝つことはできない。
ただわずかでも可能性がある馬ならば、運というファクターを除いてはその信頼性は揺るぎない。
ペース、位置取り、追い出すタイミング、今回は全てがパーフェクトだった。
たぶん頭で考えてどうこうというレベルではない。
それは芸術的領域。
勝つということにおいて、身体がレースという生き物に自然と反応するのだろう。
私のゴルフもそうでありたい。
なぜか競馬の騎乗とゴルフは似ていると思った。
練習でできることは、馬を勝つ可能性のあるレベルにまで持っていくこと。
ただそれだけでしかない。
ラウンドで良い結果が出る保証ではないのだ。
ラウンドでは頭で考えるのではなく、良い結果は経験が自然に身体を反応させるもの。
あとは自然相手に起こりうるすべての運不運を受け入れられる心を持つことであるように思う。
そう考えたら、これは人生全てにも当てはまることなのかも知れないと思った。
結果がすべて。
それに間違いはないが、人ひとりが人生において出せる結果など、多くは運不運でしかないようにも思える。
ただそれでも人は、日々不毛とも思える練習を積み重ねることしかできることはない。
そこでほんの少しの自信と勇気さえ持つことができたなら、あとは経験が自然と自らの人生をつき動かしていくだろう。
それで良いではないか。
結果が全ての人生でも、結果にばかり囚われていてはできることは制限されてしまう。
それでは模範解答などありえない世界を乗り越えることはできない。
素晴らしい人生とは、今日の石崎隆之騎手の芸術的な騎乗のようなものなのかも知れない。
お見事!と言われる人生に、私は憧れる。