ゴルフは農業だ。
・・・とはゴルフの師匠。
プレイヤーもですか?
・・・プレイヤーもすべて。(キッパリ)
ラウンドレッスン中に、フェアウェイの真ん中で素振りをしていたら、突然に言われた。
昔から素振りで芝生を取ってしまうのが怖くて、ショット前の素振りは、無意識のうちにクラブとターフが絶対にコンタクトしないような縮こまった素振りしかできなかった。
たぶん師匠いわく、もっとちゃんとイメージを出して素振りをしろということだ。
実際のショットではそんなことはないのだが、本番でもない素振りで、美しく造成された芝生を苅ってしまうことは本能的になぜか拒絶反応がある。
それは昔から下手くそで、よく素振りでダフっていたというトラウマかも知れない。
考えてみれば、わざわざ目土まで持っていって芝生を大切にというマナーを問われるスポーツのわりに、みなダウンブローでショットするのを良しとするゴルフとは不思議なスポーツである。
“ゴルフは農業だ”という一言は、私の心をずいぶんと楽にした。
その言葉ひとつで、その後スイングもプレーも落ち着いてできるようになった気がする。
社会の許容と自己責任。
それはまるで深い意味などなかったのだろうが、あとあと考えれば、いろんな意味でなかなか味のあるセリフであるように思えてきた次第である。