目覚めると蝉の大合唱。
7月の朝。
扉を開けて自宅を出る。
暑さとともに、今でも思い出すあの日のこと。
あの日も蝉がけたたましく鳴いていた。
7月25日は母の命日だった。
お墓があるわけでもなく、毎月25日は月参りを頼んでいる以外はまるでいつもと変わらない日常。
あれから4年が過ぎた。
そういうことだ。
暑さとともに、今でも思い出すあの日のこと。
あの朝も蝉がけたたましく鳴いていた。
病院通いもあの日で終わった。
前の日の晩。
最後に母と交わした会話。
病室の外から聞こえた盆踊りの音色。
あれから4年が過ぎた。
7月の朝。