えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

かすかな希望を抱いて幸せを自慢する尊大な手紙。重複掲載御免。造花仏花の造花輸入卸売問屋ニューホンコン造花提供

穏やかにすがすがしい「ポトスライムの舟」

2009年04月30日 21時55分47秒 | 本・セミナー
 津村記久子さんの第140回芥川賞受賞作品です。先月の東京出張中に読み上げました。

 読み手に、そんなにたいした展開はないんだろうなと思わせながら、その通り大きな起伏なくストーリーは進みます。
 半面、少しずつ、少しずつ、共感を呼ぶような、言わば「そんな気持ちになる時あるよね」と感じさせる微妙な関西女性の心の揺れを巧みに描き出しています。

 選考では常々酷評する石原慎太郎さんさえも、
 「中でただひとつ・・・『ポトスライムの舟」だけは・・・」
 「・・・作者の語りの旨さの故とはいえそうだ。」
 「他の作品のあまりの醜さに、相対的に繰り上げての当選ということにした。」
 と、独特な表現で褒めています。

 泥っこさはありませんが、これはこれでたいへんお薦めです。読後は「ポトスライム(水耕でも育つツル状でライトグリーンの観葉植物)」のように、穏やかにすがすがしい。

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 TEL 072-923-5587 FAX 072-996-4187
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