えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

かすかな希望を抱いて幸せを自慢する尊大な手紙。重複掲載御免。造花仏花の造花輸入卸売問屋ニューホンコン造花提供

やっとこさ蟹工船を読み終えました

2008年09月25日 23時48分41秒 | 本・セミナー
 タコ部屋の由来は、タコ壺のように狭いところに押し込めらる宿だからだと思っていましたが、違いました。きのう24日の毎日新聞朝刊。「平和をたずねて」(広岩近広記者)によると、北海道開拓の土木工事で、地元で雇われた土工夫(土木労働者)を地雇(じこ)と呼んだのに対し、よそから雇われてきた土工夫を他雇(たこ)と呼び、その宿舎だからタコ部屋となったそうです。

 その他雇は最初、斡旋業者の口車に乗せられらた本州の失業者や貧しい農民が多かったのですが、徐々に中国や朝鮮半島から連れてこられた人たちに代わっていったといいます。その実態は過酷な強制労働で、多くのけが人や死亡者を出しました。耐えかねた土工夫が逃げないようにタコ部屋の出入り口はかんぬきがかけられ、窓には桟がはめられました。

 最近流行の小林多喜二「蟹工船」を読み終えました。

 それによると蟹工船での労働は、そのタコ部屋よりもひどいと描写しています。そして、逃げようにもタコ部屋で言うかんぬきや桟は荒波のオホーツクの海です。その壮絶さが分かります。耐えられなかった者には「死」しかありません。
 だからこそ、多喜二は「労働者よ団結せよ!」と声を上げたのです。

 その「蟹工船」が今はやっている理由の一つに「現在の格差社会の中で連帯を感じる若者が支持をしている」とあります。しかしどうなんでしょう。当時の熾烈な状況に比べててみて、今の日本。そんな風に言えるのでしょうか。
 そんなに過酷な労働をしなくても生きることだけならどうにだってできる。しくじっても生きるための最低限の保証はある。
 多喜二が、もし仮に今の日本に生きていたとしたら、再び「労働者よ団結せよ」と叫ぶのでしょうか。
 蟹工船を読み終え、そのブームを考えた時に、こんな風に思ってしまうのはプチブルのせいだからかもしれません。

 独りよがりな話をしてしまいましたが、小説としての「蟹工船」はその内容のまっすぐさ(プロレタリア性)は間違いなく、文学としての面白さも十分に兼ね備えていました。特に描写の上手さには驚きです。さすが日本の「プロレタリア文学」の代表作と80年間も言われ続けてきただけのことはあります。お薦めします。

 生野の温かい部屋から

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