えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

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キョンチャル、どんづる、ウトロ

2022年08月01日 14時46分18秒 | 劇・映画・音楽
 みなさん こんにちは

 大阪生野・在日韓国基督教会館(KCC会館、中川西2丁目6-10 )で先日開かれた映画会「まだ視ぬアーカイブを可視化する」(青丘文庫研究会、神戸映画資料館主催)に参加しました。上映されたのは1「古代からの歴史に見るー日本列島と朝鮮半島」、2「鶴橋本通りキョンチャルアパート」、3「奈良どんづる峯と柳本飛行場」、4「ウトロ 家族の街」の4本で、それぞれ監督や製作者、関係者らによる解説もありました。

 1は歴史学者の上田正昭(故人)さんが飛鳥時代から現代にいたるまでの日朝の関係を紐解いています。
 2は鶴橋本通り商店街に面し1913年から34年まで警察署(キョンチャル)として使われた後変遷。最後はアパートになり2011年に取り壊された通称キョンチャルアパートを取り上げた映像です。大阪商工会議所異業種交流会フォーラムアイ仲間の高仁鳳さん(故人)が生前撮られたアパート内部の映像が主。解説では、生野に朝鮮人がたくさん住むようになったきっかけは、平野川の改修でもゴム工場への出稼ぎでもなく、大阪・天六辺りの工場に働く朝鮮人が安い住まいを求めて住み始めたと(諸説あります)。
 3は、本土決戦を控えた1945年に日本軍が建設を進めた奈良香芝・どんづる峯の地下要塞と奈良柳本の飛行場建設史跡の紹介です。解説ではアメリカ軍が上陸するのを関東か九州と想定。そのどちらにも対応できる位置の関西が指令拠点に選ばれ、皇室も滞在できる施設の建設が進められていたと。
 4は、戦前軍の飛行場建設に徴用された朝鮮人らの飯場から朝鮮人集落に発展した京都・ウトロ地区を取り上げています。戦後変遷し、住民に対し立ち退きの強制執行命令が下ります。住民はいつ強制執行されるかピリピリした状態です。そんな緊張感が漂いながらもそこにはほのぼのとした家族の生活の営みがあり家族の愛憎があります。日本人の豆腐売りの女性の助言で日本式のお地蔵さんを作ったり、外部の日本人とのつながりも描かれます。半面差別や貧困、それらへの反抗も顔を出します。熊本から若く嫁いできた日本人女性、ウトロに来た時はとても怖かったと語りながら孫までできた今、ワンピース、カーディガン、エプロンとヒョウ柄衣装をユニフォームにして、もうオモニを超えてハルモ二の貫禄です。

 最後の映画の冒頭、「被害者が語らないと事実は無かったことにされてしまう」とのテロップが流れました。この4本、すべてに共通するテーマです。これら映画を観た限りは、この事実を次代に引き継ぐ役目がもはや私にも生まれました。

 映画会は今後も定期的に行われる予定です。
 お問い合わせは同資料館(078-754-8039)へ

 それにしてもキョンチャルアパート、映像を見るまでは中に入った記憶がありましたが、どうも違いました。「高さんのビデオを見た」、「生野の郷土史家のAさんの案内で高さんらと生野自転車巡りをした際にキョンチャルアパートのレンガ塀を外から見た」、この二つの事実が私の頭の中でごっちゃになり、新しい記憶「キョンチャルアパートの中に入った」を作ってしまってたんですね。人の記憶は恐ろしい。
 その内部の様子は写真だけですが高さんのホームページからご覧いただけます。

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