国民主権と天皇

　みなさん　こんにちは　

　日本国憲法の三大原則は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義です。平和主義は憲法第9条、基本的人権の尊重は第11条に規定されています。国民主権は第1条です。でも第1条は象徴天皇制のことと思われるんじゃないでしょうか。第1条はこうです。「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」。確かに象徴天皇制のことも書いていますが、同時に「主権の存する日本国民」という言葉で国民主権を明示しています。
　何か違和感を持ちませんか。国民が「国の意思を決定する権利」を持つ主権者なのに、それを定める大事な憲法第1条の主語が国民ではなく天皇です。国民主権は象徴天皇制を説明するための修飾語になっています。本来なら、日本国憲法第1条は「国民が日本国の主権を持つ」で始まるべきではないでしょうか。

　今日、皇位の継承にともなって元号が変わりました。元号は「古代中国で天子が時間をも支配するとの思想」から生まれた称号です。支配者が空間だけでなく時間をも支配するとの発想です。それを使用することはその支配者の権威に従うことを意味するとも言われています。元号使用にも憲法第1条で感じるようなおかしさを持ってしまいます。

　日本は国民が主権を持つ民主主義国家です。この改元を単にお祝いするだけでなく、日本における民主主義とは、国民主権とは、象徴天皇制とは、はたまた元号について、この機会に深く考えてみてはどうでしょうか。

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