みなさん こんにちは
我が母校大阪市立東生野中学校(大阪生野新今里)の夜間学級を6月30日に見学してきました。同学級は1997年に同中学校の中に開設。義務教育の機会を逃した方々が学んでいます。
まずは高木教頭先生にお話しを聞きました。在日コリアンが多く住む生野区にあることで、生徒の約8割は在日の方々。平均年齢は60歳代後半。7、8年前には約200人の生徒がいたが、今は約70人が5クラスに分かれて学んでいる。実はこの生徒数の場合、既定では4クラス。教員の配置も4クラス分のみ。しかし、習熟度の違いがあり、先生方の負担は増えるが5クラスに分けている。一応修業年数は6年だが、9年まで延長できる。多くの方が6年を超えて在籍している。
市内には約4万人の義務教育未就学者がいる。しかし、現在市内に4校ある夜間学級で学んでいるのは200人弱。周知されていなかったり、家庭や仕事の関係で来られない方々が多数いらっしゃる。その夜間中学も文の里と天王寺が廃校になり、不登校特例校「心和(しんわ)中学校」(浪速区)に夜間中学を併設する予定 。
そのあと、国語と数学の授業を見学しました。私よりも先輩の方々が多数で、女性が圧倒的に多いです。みなさん方、「いきいき」と学ばれていました。高木先生が仰った「学校に楽しみに来ている」をありありと感じました。学習補助に長年携わっていらっしゃるボランティアの方が活躍されていました。
それにしても市内に4万人もの未就学の方がいらっしゃるのに、夜間中学で学んでいる方はたった200人弱。この学校でもご高齢で手押し車を押して学びに来ている方もいらっしゃって。ただ雨が降ると来られない。途中で雨が降ると、タクシーで帰ることもあると。
就学年齢時に色々事情で教育を受ける機会を逸し、今また様々な事情で教育の機会を得られない。おもんばかると胸を突かれます。
同夜間学級について詳しくはこちらをご覧ください。
少し長文になりますが、同学級のホームページから拝借した校長のお話です。よければお読みください。
「こんばんは」「アンニョンハセヨ」そんなあいさつで夜間学級は始まります。「生徒さん」(教職員よりも人生の先輩である人たちへの敬意もこめてこう言っています)の平均年齢は60代後半。戦後も続いた混乱期にさまざまな理由で義務教育の機会を奪われ、その後も苦労を重ねてようやく学びの場に集うことができたという方、中でも韓国・朝鮮にルーツをもつ方々が多く在籍しています。小学校にも通っていなくて、文字を学んだことのなかった方もおられます。本校夜間学級開設から十数年が経過しても、「知人に聞いて初めて知った」「夜間学級のことは知っていたが家族の介護で行けなかった」といった新入生が毎年おられるのです。
生徒さんが学校にやって来るのは早い人で4時半頃から。毎週木曜日には朝鮮文化研究会に参加する生徒さんが4時前に集まってきます。始業は5時半。平日の夜、8時50分まで、クラスごとに違う授業内容での学習が続きます。
もちろん、夜間学級は生徒さんがいる時間帯だけ活動しているのではありません。昼間のうちに教材づくりや授業の工夫や時には家庭訪問も行ったりして、生徒さんの学習活動を支えます。事務的な処理も昼の間にしかできないことがたくさんあります。入学相談に来られる方もあります。
苦労を重ねてきた人たちだからこそかもしれませんが、普段、学校での生徒さんたちは底抜けに明るい。運動会でゴールしたら嬉しくて先生に抱きついたり、文化祭(「わくわく広場」と名付けています)や芸術鑑賞で自然と踊り出したり、休憩時間には笑顔や笑い声があふれていたり…… 皆さんが「学校は楽しい」と声をそろえます。しかし、作文発表や人権学習・昼の生徒たちとの交流会などで自分のことを語り始めると、思わず涙がこぼれます。聞いている者は一緒に泣いてしまうことしかできないのが、もどかしい限りです。こんな夜間学級の生徒さんたちは、存在そのものが宝物であり、昼の生徒たちにも学びの姿勢や優しさなどで少なくない影響を与えています。義務教育を求める人たちがいる限り、夜間学級の灯はともし続けねばなりません。
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