つれづれ日記

不動産鑑定士 佐藤栄一が仕事や生活で感じたことをつづります

平成27年地価公示と不動産鑑定士

2015-03-18 19:03:30 | 不動産評価(専門)
本日3月18日の夕方から、平成27年地価公示の結果がマスコミから発表されています。

福島県にとって、今年の地価公示は全国から注目される結果となりました。

住宅地の対前年上昇率で、原発事故避難者等の強い宅地需要等を背景として、いわき市が全国のトップ10を独占したのです。

地価公示は、各評価地点について不動産鑑定士2名が鑑定評価を行い、その結果をもとに国土交通省の土地鑑定委員会が決定し発表するものです。

福島県の場合、県内が3つの分科会に区分され、各分科会に担当の不動産鑑定士が配属され、各分科会の中で様々な市場分析、実際の取引事例の調査等が行われて価格が検討されています。

私はいわき市が含まれる分科会には所属していないので、直接的にいわき市の価格分析を行ったわけではないのですが、いわき市の上昇率が相当高くなりそうだということは小耳に挟んでいました。

かつてないほどの上昇率になったわけですから、おそらく、いわき市担当の不動産鑑定士が、情報収集と分析を重ね、分科会における丁々発止の議論を経て、最後には自己の確信の下に鑑定評価を行ったものと推測されます。

一般に、地価公示というと、「価格」や「対前年変動率」といった「結論」に目が行きがちですが、「結論」に至るまでの「過程」の中にこそ、市場を読み解く色々なヒントが隠されています。
分析の過程は”宝の山”です。

下記のサイトから平成27年地価公示の概要がご覧になれます。
当該資料の末尾に「地価公示価格形成要因等の概要」が掲載されています。
これは各都道府県の代表幹事をされている不動産鑑定士が各都道府県における分析の「過程」について取り纏めたものです。
是非、ご覧になることをお勧めします。

http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/2015/index.html