つれづれ日記

不動産鑑定士 佐藤栄一が仕事や生活で感じたことをつづります

不動産鑑定評価制度の見直しについて(その4)

2010-03-30 12:32:33 | 不動産評価(専門)
企業会計に関連して、「賃貸等不動産の時価等の財務諸表への注記」が、平成22年3月31日以降終了する事業年度から行われることになっている。つまり、今月末に決算期を迎える企業には該当することになる。

先行して行われている「固定資産の減損処理」が、時価の判定について一般的に認められている価格指標(公示価格、相続税路線価、固定資産税評価額等)を活用してもよいとされてきたのに対し、「賃貸等不動産の時価等の財務諸表への注記」は、不動産鑑定評価基準に則った不動産鑑定評価を行うことが原則とされている(平成21年12月24日付け国土交通省発出「財務諸表のための価格調査の実施に関する基本的考え方)。

このためか、今年に入ってから、弊社に対しても当該注記に関連した評価の問い合わせが増加している。

今年1月から適用になっている新しい不動産鑑定評価制度において、会計上の要請に基づく評価についてもルール付けがなされているため、各不動産鑑定事務所は、新ルールに沿って実務を遂行することになる。弊社においても、遺漏のないように進めていきたい。

不動産鑑定評価制度の見直しについて(その3)

2010-03-15 21:44:28 | 不動産評価(専門)
まだ、新制度が始まったばかりで、新しく依頼者への提出が義務付けられた「確認書」や「依頼書兼承諾書」への対応、不動産鑑定評価基準に則らない成果報告書の記載の仕方など、実際に実務に反映させるとなると苦慮する点も多い。

一方で、例えば、会計上の要請で企業から評価依頼がある場合、減損処理のための評価なのか、賃貸等不動産の時価の注記のための評価なのか等によって、細かくルール付けがなされ、仕事がやりやすくなった面もある。

不動産鑑定士に対する新しい社会のニーズにどれだけ応えられるかは、私たち不動産鑑定士の対応にかかっていると思われる。


大忙しの日曜日

2010-03-14 21:34:12 | エッセイ
今日は大忙し。

午前中は、ボーイスカウトの活動で、大安場(おおやすば)古墳で火起し体験をし、午後は家内と一緒に今年初めてゴルフ練習場へ行ってクラブを振り回し、帰りに除草剤を買ってきて庭に蒔いてこれから始まる雑草との戦いに先手を打った。

夕方は、10kmのLSDを行った。郡山シティマラソンまで一ヶ月半弱になったので、この距離を体に覚えさせていかなければならない。走っている途中に、走っていてもわかる地震(楢葉町で震度5弱)がありびっくりしたが、63分程度で無事終了した。

これを書いている今はぐったり状態です。はい、お疲れ様の日曜日でした。

不動産鑑定評価制度の見直しについて(その2)

2010-03-11 22:51:30 | 不動産評価(専門)
今年1月からの不動産鑑定評価制度の見直しによって、これまで、”控えめに”、または”人目を忍ぶように”発行されていた「不動産鑑定評価基準に則らない評価書類」(「調査報告書」や「意見書」等の名称で発行される)が表舞台に出てくることになったといえる。

但し、表舞台に出るには、きちんとその評価書類が射程としている範囲(例えば、内部参考資料としてのみの利用を前提としていること)や、限界(不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価とは結果が異なる可能性があること)等について、事前に依頼者に了解を得、さらに評価書類自体にもそれらの事項を書き込むことが条件となっている。

依頼者の様々なニーズに応えつつ、トラブルや誤解を生じないように万全を期すという姿勢だと思われる。

今回の制度改正をきっかけとして、不動産鑑定士がより身近な不動産のアドバイザーになれればと思っている。

不動産鑑定評価制度の見直しについて(その1)

2010-03-10 12:36:17 | 不動産評価(専門)
平成22年1月から不動産鑑定評価制度が大幅に改正された。

一言で言うと、これまで、フルスペックの「鑑定評価書」の発行を前提として組み立てられていた制度から、多種多様な報告書の発行を前提とした制度に切り替わった。

例えば、フルスペックの「鑑定評価書」だと時間や費用が相当かかるが、内部の検討としてのみ使用するので大まかな価格水準がわかればよく、時間や費用もあまりかけたくないというニーズは多い。

今回の改正によって、このようなケースに積極的に対応できるようになる。

このようなケースでは、報告書が有効な範囲を明記した上で、「鑑定評価書」よりも簡素な内容の報告書を「鑑定評価書」よりも低廉な費用で発行して依頼者のニーズに応えることになる。(但し、この場合、「鑑定評価書」というタイトルは使用できなくなり、「調査報告書」や「意見書」といったタイトルを使用することになる。)

当事務所でも、新しい制度への対応を順次進めている。

心温まる返信をいただきました

2010-03-08 19:35:28 | エッセイ
ホームページをリニューアルしたときに、メールアドレスも新しく取得したが、古いメールアドレスに慣れ親しんできたので、新メールアドレスの連絡に二の足を踏んできた。

しかし、いつまでも放っておくわけにはいかないと思い、先週末に意を決してメールアドレス変更のお知らせを各関係先に一斉に送信した。

関係先といっても、仕事上のお客様から友人に至るまで様々だ。相手先によって文章を変えれば良いのだろうが、いちいち関係先を区分するのも面倒と思われたので、誰に対しても差し障りのないような文章にした。結果、事務的で味も素っ気もない案内になってしまった。

ところが、思いもかけず、しばらく連絡をしていなかった相当数の方から、「元気そうでよかった」とか「こっちはこんな感じだ」という心温まる返信を頂戴した。

大変ありがたく、大げさに言えば人と人との絆のようなものがあるのだなと思った。みんなそれぞれの場所で頑張って居るのだと思うと、なんだか元気が出てきた。

久々の集中

2010-03-06 15:10:20 | 不動産評価(専門)
収益物件(貸しビル)の鑑定評価依頼があり、収益還元法でDCF法を適用した。

敷金のほかに建設協力金的な保証金の授受があり、その償還方法が家賃と相殺しながら償還する複雑な内容だったので、どのようにDCF法に反映させるか悩んでしまった。

久々に集中して夜中まで考え込んだが、そのような時は暑さも寒さも空腹ものどの渇きも感じない。

これでよし!と思ったら、夜11時頃になっていた。

ところが、翌日目が覚めると昨夜の検討で不十分なところに気付き、結局その日の午前中までかかってしまった。

不動産は、何年携わっていても、経験したことのない事案にぶつかる。そのときに、いい加減にしないで自分の納得のいくまで考え抜くことが自分の蓄積になっていくのだと思う。