日本人は真面目である。
決められた事はキッチリとやるし、命令された事はその通りにやる。個人の能力は高いので、完璧にこなすのが通常の行為になっている。ただし、これは平常状態でのことで、事故が起きて異常状態になった時の対応には柔軟性を欠く場合が多い気がする。通常状態から異常状態への移行が円滑でない。どうしても通常状態を継続しようとする力が強いのである。異常状態を認めたくない力が働くようである。真面目さが悪い方向に向いている気がする。見方によっては、保守的で状況の変化を好まない国民性かもしれない。
大事故は別として、
ほんのちょっとした状況の変化に対応できているかを社会生活の中で観察してみると、あまりいい結果とは言えない。よく思うことは、各人が自主的に判断して自律的に行動できていないことである。真面目さが自律的な行動を抑制してしまうようだ。勝手な行動をとらないことが一糸乱れぬ行動を可能にしているとも言える。例えば天候による交通機関の乱れである。一利用者として観察していると、末端の職員は、状況の変化に迅速に対応しているとは思えない。目の前でどのような状況になろうとまずは、通常状態の対応を継続している。もっとやらなければならない事があるだろうといつも思ってしまう。自己の責任の範囲でやるべきことがあるだろうと思うことしきりである。
確かに目の前に原因そのものを解決する事象はない。
しかし、その原因のために目の前に解決すべき問題が発生している。たとえば、乗客の混乱であり、混雑である。これを解決すべきであろう。原因はどうであれこれらを解決するのは、現場の職員達であろう。その職員達は、自ら目の前の問題を解決しようとせず、上からの指令なり指示を待っている。結局現場はなるようにしかならない。ますます混乱したままであり、混雑はひどくなるばかりである。大本の原因が解消するまで混乱と混雑が続くことになる。それでも平常状態の手続きと業務が続けられているようにみえる。そのために、いつもあちこちで大混乱になるし、いつもそんな記事が大賑わいである。
目の前の小さな問題を解決できなくて大問題が解決できるはずがない。
結局は、組織集団全体も同じようなもので、迅速な問題解決ができるような組織なり体制なり仕組みになっていない気がする。下部組織の体制がそのまま上部組織の体制である。かえって非常時には上部組織ほど有効に機能しないのではないかと思ってしまう。その頼りない上部組織の指令なり指示を待っていたのでは、迅速な問題解決には程遠い。とりあえずの想定外の大問題の解決法としては、下部組織のできることは、権限の範囲内でやるべきであるし、平時からその権限を明確にしておくことであろう。次には、上部組織の状況判断、決断能力の向上であろうが、これも上部組織内のそれぞれの職務と権限を明確にして適正に行使する体制を確立するしか方法はないと思う。
例えば駅長さんにどんな権限が与えているのだろう。
駅長さんの権限で具体的に何をどの程度できるのだろうと考えてしまう。混乱を防止するには、駅長自身が公式の最新情報と今後の見通しを場内アナウンスすべきだろうし、混雑防止のためには駅長の権限で改札の入場規制をやるべきだろう。これらは、全体で統一して一斉指令でやることではなく、個別の状況に対応して判断し個別にやるべきであろう。長のつく人についていつも疑問に思う。学校長さん、社長さん、地方自治体の首長さん、警察署長さん、消防署長さんなどなどである。もう一度考え直して、それぞれの権限を明確にして、非常時の場合、各人が具体的に何をどの程度できるのか明確にし、現状に問題があれば改善しておくべきである。もし、必要な権限が与えられていないなら上層部に要求するくらいの自主自律が欲しいものである。3.11の東日本大震災から1年が経とうとしている今、その教訓を生かして是非直ちにも改善してもらいたいものである。
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