オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

市場原理についての素朴な疑問

2008年02月16日 | Weblog

1000人のお客がいて10人の商売人がいるとする。

 ここで100円の商品を売ると値段が同じであれば機会は均等であり、100人ずつのお客がついて10000円が手元にはいる。儲けが1割だとするとそれぞれ1000円ずつ儲かることになる。ここである商売人が儲けを半分にして95円で売り出すと。お客は安い商品に殺到し1000人のお客を独占できる。儲けは5倍の5000円になるが他の9人の売り上げは全くゼロになる。

他の9人の商売人も黙っていない。

 同じ95円の価格で売り出すとお客はまた戻ってはくるが儲けは半分の500円になる。また誰かが安売りをする、また値下げする・・・と繰り返すと限りなく儲けが少なくなりある時点で採算割れし商売が成り立たなくなる。場合によっては赤字覚悟の価格でお客の独占を図る商売人も出てくる。資金力のない商売人は手を引かざるを得ない。そして少数または単独の商売人の独占となる。独占体制になれば価格は自由である。悪意の商売人は価格をつり上げ、暴利をむさぼる。そして、新たな勇気ある商売人(ベンチャー)が現れて独占体制を変革しない限り当分の間はお客は高いものを買わされることになる。

市場原理を健全に運営するためには第一に、

 儲けを度外視したなぐり込み価格を設定する商売人を出さなければいい。このなぐり込みをかけた商売人のたくらみは儲けを独占することである。ところが日本の場合はこれが自由競争で好ましいこととして独占禁止法にはひっかからない。しかし、妥当な価格を維持する目的で商売人同志が相互に価格調整する行為は当然独占禁止法にひっかかる。

独占禁止法の本来の目的は読んで字の如く

 「独占を禁止する法律」である。自由競争であれば何でも許されるという考えはおかしい。独占を意図して悪意から市場を混乱させたり他人のビジネスチャンスを不当に制限するのはルール違反である。

日本は諸外国から不当なダンピングだと非難されると、

 本心では「安く売って何が悪い」「外国企業の経営努力が足りないんだ」と思っているのではないか。しかし、これは明らかにルール違反である。その下心は不当な手段で「お客を独占したい」だけであり、これは悪意である。

商売人相互の価格の調整は悪意でない限り許されると思うし、

 これは当然必要な機能だと思う。結果として「悪意」があれば糾弾されるが、価格調整の行為があった事実だけで独占禁止法違反だと一方的に決めつけるのはおかしいのではないか。最終的に相互に結託して市場の独占を図ったり、価格を不当に操作したりした事実をもって糾弾されるべきであると思う。価格が不当かどうかは、将来的にも維持できる妥当な価格か(ダンピングではないか)、商品価値と合致しているか(不正な暴利ではないか)を調査して判断しなければならない。

1円入札などという現象も発生したことがあるが、

 献身的な無料の奉仕活動でない限り市場を乱すものであり、将来の市場を独占しようという悪意があり、私に言わせれば「違法行為」である。契約の時点では「違法」と断定できないだろうが、時が経ち関連の事実を検証すれば「違法」は証明できるはずである。1円で契約した後に関連の契約が一切ないのであれば話は別だが、そんなことはまずあるまい。少なくとも献身的な奉仕活動でない限り1円入札は受け入れられるべきものではないと思う。

諸外国では奉仕活動であっても

 「契約」として相互に文書を交わすそうだ。そして契約金の授受があると聞いたことがある。金銭の授受がない契約はあり得ないという考えであろう。ただし、契約金は当然微々たるもので場合によっては交通費にもならないそうで、結果的には純然たる「奉仕」である。奉仕活動とはいえお互いの信頼関係であり、その信用を担保するための契約である。一旦やると公言したら「どうせ奉仕活動だからやるかやらないかはやってやる方の勝手だ」という無責任な考えは許されない。契約金は微々たるものでも契約を破棄したら責任を問われることになる。下手をすると損害賠償もあり得る。

契約のための入札の方法には、

 一般競争入札と指名競争入札と随意契約がある。一般競争入札は誰でも入札に参加できる。指名競争入札は指名した業者しか入札に参加できない。随意契約は特定の一業者を指名して契約するものである。通常我々が買い物をする場合で考えると、安価な日用品類はメーカーにあまりこだわらない一般競争入札であろう。ちょっと高価な耐久消費財はメーカーを特定した指名競争入札になるであろう。特別注文の製品を購入する場合は随意契約にならざるを得ない。我々一般人の買い物でも通常は指名競争入札の考え方が一般的であると思う。

官庁の入札に絡む不正があちこちで発覚すると、

 入札は全て一般競争入札にすべきだという声が大きくなるが、これは調達する側の利便を全く無視している。製造メーカーの技術や能力や過去の実績やアフターサービスなどを参考にして商品を選ぶのは当然であり、場合によってはひとつのメーカーに統一するのが有利な場合もある。特別注文の製品をアフターサービスまで含めて調達しようとすると随意契約でないとできない。また契約の度に毎回製造メーカーを変えるのは非効率であり、過去に積み上げた製造のノウハウが全く無駄になり商品の信頼性も落ちることになる。

指名競争や随意契約にするから利権が絡み不正が起こるのであり、

 全て一般競争入札にすべきだというのはあまりにも短絡的に過ぎる。権限を発揮しないということは利便さを失うことであり、利便さを失えばろくなものは調達できない。改善すべきはたとえ指名競争でも随意契約でも利権を悪用して不正を働かせないことであり、そのための正当な手続きとチェック機能である。優れたものを調達するための、また目的に合致した指名入札であり随意契約でなければならない。当然業者指名の経緯や契約の価格は公然と説明でき納得できるものでなければならない。

「談合」と言う言葉がある。

 「談合」そのものは私に言わせれば当然必要な機能であり、契約を円滑に行うためには重要である。お互い何も知らないで初対面同志が白紙の状態で契約するなんてことはあり得ない。事前に契約内容について事細かく契約価格も含めて調査して調整するのが「当然」の行為である。これを「談合」と称して感情的に忌み嫌うのはおかしい。確かに悪意をもって「談合」することは許されない。しかし、それは結果として不当な契約を結んだり、利権に絡んだ金銭の授受があった場合(共謀して悪事をたくらんだ場合)に糾弾されるべきものであって「談合」の行為そのものが悪いわけではない。見直すべきは「談合」を排除することではなく、契約が正当なものかどうかをチェックする機能の欠除そのものである。

市場原理を健全に運営するための第二は、

 独占体制を打破する新たな勇気ある商売人(ベンチャー)の出現である。市場原理の定常状態が長期間続くとどうしても独占体制が確立されてくる。独占の方が効率的であり、淘汰は自然の摂理でもある。これに一石を投じるのがベンチャービジネスである。ベンチャービジネスの芽を摘んではならない。ベンチャーが定常状態を打破し進化を促す。ところが、日本の場合は「出る杭は打たれる」のごとく、みんなで寄ってたかって(国も先頭に立って)ベンチャーの芽をつぶしにかかる。みんなと違うことや、お上の意にそぐわないことは絶対に許さないと言う異常なまでの団結心である。新規事業のハードルは高く、法的規制や手続き上の嫌がらせや周囲からの締め付けが大手を振ってまかり通っている。ビジネスチャンスは万人に均等に与えられるものであり、これを潰すことは誰にもできないはずである。

市場を混乱させ独占することを意図した悪意のものは

 たとえベンチャービジネスであろうとも許されないが、正当な方法で新たな視点と新たな技術と新たな価値観をもって既存のビジネスに挑戦するベンチャービジネスは大いに推奨すべきである。これにより既存の市場が混乱するのであれば、既存のものこそ考え直さなければならない。

どんなに安い価格を提示しようとも、

 これが将来にわたって継続的に維持でき信頼できるものであれば、これは企業による経営努力の結果であり、価格の妥当性も正々堂々と説明できるはずである。これは市場を混乱させるための悪意ではないし、この価格を維持できれば結果的には市場を独占することになろうが、これは良い商品を安くしかも安定して確実に買いたいというお客の自由意志による結果であり、悪意により独占を作為したわけではない(独占体制で価格を一方的に不当に操作したら当然糾弾されるが・・・)。

ベンチャービジネスの育成についてあちこちで叫ばれているが、

 なかなか芽が出ないようだ。土壌(企業の体質)が悪いのか環境(法制や伝統・慣習)が悪いのか肥料(資金援助や支援策)が足りないのか、はたまた種(人・技術)が不良なのかは知らないが、いずれにしてもこれらのベンチャー精神を踏みつぶしてきた日本の過去の歴史がある。成功したベンチャービジネスの事例が増えてゆかない限り後に続く者はいない。この後遺症は当分続くであろうが、芽を潰さず、長い目で育成を見守って行かなければならない。考え直すのは「政治」とくに中央や地方の官僚であり、訳の解らない規制や既得権、しがらみ、利権、えこひいき、思い込み、体面、見栄などを廃して健全な市場原理を追求しなければならない。

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1 コメント

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(  ̄ω ̄)ゞ<ももっ (たかし&ゆみ)
2008-02-16 22:04:14
おじゃましまーす。
おもしろくて初めから読みふけっちゃいました。
オレもブログ始めようと思うので参考にしたいです。

内容は、最近感動したことなんですけど、

この前のバレンタインデーに
うまれてはじめてチョコもらいました!!(27年目にして初)
感動して、うまく気持ち表現できずに
「ありがとう」

ってぶっきらぼうな感じで言ってしまって…
でもその後、一つ食べた瞬間に言葉あふれてきて、
「おいしい」「ありがとう」を連呼しちゃってて。
最後にそのとき言うつもりじゃなかったのに
「つきあってほしい」
って言葉がもれて

その時の女の子が、今僕の彼女としてとなりにいます。
ブログを読ませていただきながらラブラブです。
すみません、初コメでこんな自分勝手な事かいてて

また一緒に遊びに来ます★

ちなみにオレ達のちょっと変わったキューピットは▼でした。
始まりが人と違うから合わない人に無理かもだけど、僕たちには最高の場所です♪http://exeair.net/doll/267
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