晴耕雨読を綴る。

3.11から考え方を変えた。液状化と直下型地震に脅える日々。自然の驚異を感じながらも、共生と調和を求めていく!

夕張を他山之石とすべし。

2007-09-07 15:38:30 | 政治、経済
 ちょっと古い本になるが、‘02年に発行された桜井よしこ女史の「日本の危機」を読んだ。今ではテレビに引っ張りだこの評論家であるが、以前は(今でもそうだが)本を書き、週刊誌に盛んに投稿し、日本のあるべき姿、改革の方向性、外交のあり方、近隣諸国との関係、歴史観、教育と多義にわたって一流の理論を展開されていた。最近では日本をリードするトップコラムニストにまでで上り詰めた感である。大いに期待するところ。

 ところで前掲の図書に夕張のことが記されていた。今では、破綻自治体第一号にまでなってしまったが、何のことはない。20年も市長を続けていた(選ばれていた)立派なお方がおられたのだそうだ。夕張メロンを全国的にブランド化し、映画祭を誘致して名をはせたお方である。このお方が、すでに現在の夕張の財政破綻の基礎を造ったお方であるようだ。  どうもそこには、古い自民党のやり方、中央と地方の人事(公務員)の交流から始まり、お金の還流システム、公共事業優先の景気浮揚策、集票マシンと化した農業団体、建設業団体等が複雑に絡み合いながら借金投資を推奨してきた結果のように思えるのである。

 田中知事がいなくなった長野は、果たして大丈夫なのだろうか。脱ダム宣言なぞどっかに消えてしまった。元に戻ると先が見えているのだが、心配なことだ。 もったいない知事をいただく滋賀県ではどうやら知事の意向が通りそうな議会運営が進んでいるとか?頑張ってほしいものである。

 話は戻って、石炭が黒いダイヤとして騒がれた最盛期には12万人もいた夕張の人口が、今では10/1にまで減少してしまったという不幸な現象もあるが、それにしてもなぜここまで落ち込んでしまったのだろうか。何のことはないアメの上にアメをなめさせられる地方コントロールシステムがあるのだ。地方自治体が事業を行うとき、各省庁が支給する補助率は低いもので25%、一般的には50%、高いものでは75%から90%にまでにもなるのだそうだ。自治体は残りの部分を負担すればいいのだが、ここにも地方交付税という魔法の手があって、援助の上に援助がなされてきたのだ。何のことはない。事業資金にめどがつかなくとも、大規模開発ができるシステムになっているのだ。
 従来の箱物行政(全国に持て余している建造物はありあまるほどある)ダム建設、原発誘致その他もろもろいくらでもある。

 真に日本国民のために、地方行政のために働いてくれる人たちを選別するときである。古い政治スタイルは、もういらない。ごめんこうむる。


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