宿に着き、ベランダから目の前の海を眺めた。
左手の岬に何か建物?
散歩して見ることにした。
@弁天岬と太子堂
太古の昔、久々子海岸の西端に位置している弁天岬の端の蛇洞に一頭の女蛇が棲んでいました。
一方、対岸の和田岬の蛇洞には男蛇が棲んでおり、互いに行き来していました。
その龍蛇が出て来て遊び回るために度々海が荒れ、村人たちは困り果てていました。
延暦の頃、弘法大師が若狭を順錫されていたとき、たまたま久々子の地に錫を止められました。
その時、村人等の話しを聞き、一人で岬へ行き現在の大師堂内にある巌窟に立てこもり行を成された後、 蛇洞の巌頭まで行き女蛇に仏戒を授けられました。すると龍蛇はたちまち苦患を脱して昇天しました。
そこでこれを弁財天として祠におまつりされたと言います。
現在境内の東の宗像神社がそれです。
以後、海上安泰・庶民福寿の守護として村人たちに大切にまつられ、また大師禅定の洞窟には後年大師の徳を慕う人々により大師堂が建てられ今日まで広く信仰を集めています。
毎年7月中旬には3日間村をあげて盛大に弁天祭が行われており、御神体をお神輿で村の若衆がかつぎ、船にのって海を渡り村のお仮屋に安置され、二夜おまつりされます。
3日目はそのお神輿で村中を練り歩き、再び船で海を渡り戻され祭りが終了します。
2艘の船を合わせ5色の吹流しを幾本もなびかせ御神体が海を渡るとき、白装束に赤はちまきの若衆が、御神体を楽しませるため次々に海に飛び込む姿は勇壮で、優美さにもあふれる風景です。
御詠歌
『空海の 法(のり)の験(しるし)は 荒磯(あらいそ)の 龍女(りゅうにょ)も和(な)ぎて 仏となりぬ』
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