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ノーベル文学賞はペルーの作家 バルガス・リョサ氏

2010-10-10 23:59:59 | 超読書日記
村上春樹よりは順当ですよ、日本のマスコミ諸氏!

ノーベル文学賞はペルーの作家 バルガス・リョサ氏(共同通信) - goo ニュース

ペルーの大統領選にも出たことのあるひとだし、南米の作家って、大インテリでかつ体を張っている感じがありますよね。亡命経験があったりとか。

と、えらそうなことをいいながら、バルガス・リョサの本って、アンソロジーに入った短編ぐらいしか読んでない!

新潮社から出ていた南米文学のハードカバー、『緑の家』とか『世界終末戦争』を横目ににらみつつ、「長いからな~」なんて今まで敬遠してたんですよね。

だから、『緑の家』が新潮社から岩波文庫に変わったのにはビックリ!

かつて集英社から出ていたラテンアメリカ文学の文庫も、今後は岩波文庫に移っていくんでしょうか?

で、キューバに旅行して以来思うのは、南米文学の秘密の大きな要素にスペイン語があるんじゃないかってこと。

スペイン語の陽気さと強さ。それにヨーロッパとつながる言語だってことも大きいですね。だから、南米文学の作家たちはヨーロッパ生活のある大インテリばかりでしょ。

そういう意味では、「日本語やめてフランス語にしたらどうか!」と言ってのけた小説の神様・志賀直哉の論も一理ありってことになるのかな?(ま、表向き、日本語以外の言語を第一言語にするっていう占領政策もありだったかもしれない。)

ところで、わたしが読んだ初期の短編「子犬たち」は傑作でした!

少年時代に性器を犬に噛み切られた青年の転落を描いた小説ですが、同級生たちの複数の声、それ自体が文体になっているという野心作でもある!

少年時代にはたいした問題にならなかったことが、思春期、青年期を経て、大きな悩みへと変わっていく。

スペイン語圏の男性中心主義、「マチズモ」や女性たちの早熟な色っぽさも主人公を追い込んでいく・・・。

とにかく、野心的で、実験的で、読みやすい。

アンソロジーの復刊を望むなあ~。というか、そのうち出そうな気がしますね~。

緑の家(上) (岩波文庫)
M.バルガス=リョサ
岩波書店


ラテンアメリカ五人集 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)
リョサ,パチェーコ,アストゥリアス,オクタビオ・パス,オカンボ
集英社
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