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『トッド・ラングレンのスタジオ黄金狂時代 魔法使いの創作技術』 ポール・マイヤーズ 著 奥田裕士 訳

2011-11-15 23:59:59 | カメレオンのための音楽
クラシックに比べて、ロックの本って、定価が高いばかりで酷い代物が多いんだけど、この本だけは絶対別!マルチな才能を持つミュージシャン、トッド・ラングレンの作品やプロデュース作品を丹念に取材した名著です!しかも、著者ばかりでなく、翻訳家もトッド、ひいてはロックに対する愛情が深い!というわけで、室内型ロックファン(これはわたしの造語です!)必携の一冊ですね。おすすめ!

トッド・ラングレンというと、彼自身のアルバム『サムシング/エニシング』とかで語られるんだろうけど、わたしはプロデュース作品の方が気になったクチで、チープトリックの『ネクスト・ポジション・プリーズ』(チープトリックのアルバムの中で一番売れなかったらしいけど。)とXTCの『スカイラーキング』が特に好きなんですよね。何度聴いたかわからない!

で、この本、XTCは当然だけど、チープトリックの方もちゃんと取り上げてるところが偉いんですよね。でも、一番興味深いのはXTCに関するくだりなんだけど。

後期ビートルズ・オタクのトッドとXTCがタッグを組むという夢のコラボだったアルバム『スカイラーキング』。これが、双方のすれ違い喧嘩の連続で作られたアルバムだってことは、ロックファンには周知の話なんだけど、崑本を読むと、ここまでの状態だったのかと驚きます!でも、出来たアルバムが素晴らしいんだから、表現のマジックって言うしかないですよね。

とにかく、この本を読みながら『スカイラーキング』を聴くだけでも、楽しい時間が過ごせますよ!

加えて、トッド・ラングレンって、レピッシュや高野寛のプロデュースもやっているんだけど、この点は本には出てこなくて、訳者があとがきで愛あるフォローをしてるんですよね!

というわけで、総合点で素晴らしい本です!

トッド・ラングレンのスタジオ黄金狂時代 魔法使いの創作技術 (P‐Vine BOOKs)
クリエーター情報なし
ブルース・インターアクションズ


Skylarking
クリエーター情報なし
Caroline


ネクスト・ポジション・ブリーズ
クリエーター情報なし
Sony Music Direct


サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー)(K2HD/紙ジャケット仕様)
クリエーター情報なし
ビクターエンタテインメント
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