切られお富!

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「文楽の人より 吉田文五郎」 織田作之助 著

2008-06-04 22:40:23 | 恋する文楽
恥ずかしながら、戦後派の作家・織田作之助の作品に、吉田文五郎についての作品があったとは知らなかった!因みに、文庫の表紙は吉田蓑助さんですよ!

織田作之助といえば、太宰治と同時期の作家で、映画や文楽にもなった『夫婦善哉』でもよく知られてますよね。

(因みに、太宰治には早世した織田作之助についての文章「織田君の死」というのがあって、そこで太宰は「織田君、きみは、よくやった」なんていってます。)

さて、戦中戦後の人形遣いの名人・吉田文五郎って、谷崎潤一郎の『蓼食う虫』にもでてくるくらいだけど、吉田蓑助さんの師匠でもあるんですよね。

さて、織田作(オダサク)の短編だけど、聞き書きの体裁をとりながら、大阪弁口語調の好短編に仕上がっています。

もちろん、実際の文五郎の語りから出来ているとはいえ、構成の巧みさは作家・織田作のもの。文楽を知らなくても、読み物としても充分よいです。

太宰、安吾に比べて、なんだか忘れられている作家になっている織田作。

大阪弁、文楽、あたりをキーワードに再読するのもいいかもしれませんね~。

<おまけ>
・春 千本桜 谷崎潤一郎


聴雨・蛍―織田作之助短篇集 (ちくま文庫)
織田 作之助
筑摩書房

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