切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

宇多田「不買」騒動をめぐって。

2010-10-28 19:30:00 | カメレオンのための音楽
メディアがちゃんと報道しないのでいまいち実態がわからないのですが、宇多田ヒカルの発言にも違和感が残るので、あえてコメント。

宇多田怒る「Utada盤買わないで」(日刊スポーツ) - goo ニュース

想像するに、EMIが宇多田の楽曲の原盤権を持っていて、米レーベルに原盤供給契約を結び、米レーベルとユニバーサルが販売契約を結んでいて、Utada盤が発売ってことなんでしょ?

つまり、<EMI→米レーベル→ユニバーサル・ミュージック>というフローチャートのなかに、宇多田の意思が入り込めないから宇多田は不満だというのでしょう。

でも、ビジネスライクにいってしまえば、これは契約上仕方のないことで、今後は宇多田自身が原盤権の何%かでも持って、契約条項に自身の意見を反映できるようにすればいい話。

宇多田の言の「内容をもっとよくする」といっても、レコーディングやりミックスなどお金のかかることなら「NO THANK YOU」というのがレーベルの主張だとしたら、しょうがないんじゃないですかね?

というか、EMIが宇多田の考えを考慮するのは、彼女がEMIにとってドル箱スターだからで、米レーベルにとってはそうでもないということなんでしょ。

だから、国内のお姫様待遇と国外のドライな契約関係の違いについて、彼女自身今後よく考えるべきなのでは。ましてや、英語ができる人なんだしね。

(もっとも、英会話力と英文契約読解力はまるで別の能力ですが・・・。会話ができても法律や契約がまるで判っていないバイリンガルもいるし、会話ができなくてもタフな契約交渉者というのがいたりします。)

というわけで、音楽の契約は複雑ですね。興味のある方は参考文献をどうぞ!

Utada The Best
クリエーター情報なし
ユニバーサル インターナショナル


よくわかる音楽著作権ビジネス―実践編 3rd Edition
安藤 和宏
リットーミュージック


音楽ビジネスの著作権 (エンタテインメントと著作権―初歩から実践まで)
前田 哲男,谷口 元
著作権情報センター
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 無責任企業2社 | トップ | 本日草月ホールで、立川志ら... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

カメレオンのための音楽」カテゴリの最新記事