VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

葉山環境文化デザイン集団

2006年05月01日 | 住宅業界
葉山は御用邸(明治27年)に始まり、著名人の別荘が多い所であるが
このNPO葉山環境文化デザイン集団は、500棟近い明治中期から昭和初期に建てられた
葉山らしい景観の別荘を調査研究していると、グループの一員である谷吉幸子さんが紹介してくれた。

今日はその別荘の一つであり、集団の事務所でもある〔旧中西別荘〕で
葉山の別荘写真展が行われているという事で訪ねてみた。
逗子からトンネルを2つ越えて、三ヶ岡の裾野に脇道へ入ると
木貼りに屋根瓦の日本家屋が、擁壁の上に現れた。山の背景に溶け込むような外観だ(写真左)。

創建者は東京日本橋のハンカチメーカー、ブルーミング中西の二代目との事。
玄関の設えなど日本家屋の風情なのに、2階へ上がって驚いたのは
ガラス窓に洋館のような装飾枠デザインが施され、モダンな照明が提げられた洋間のリビングルームである。
そこで他の別荘の写真も紹介する写真展が行われていた(写真中)。
昭和6年の建築で窓ガラスも当時のものである事、これから耐震強化の修繕が予定されている事など
主催の葉山環境文化デザイン集団のお一人、建築家の杉浦敬彦さんがお話してくれた。

窓からの眺めは当時と一変してしまっているだろうが、微かに水平線も見える。
75年前に此処で、緑と空と、そして海を眺めながらどんな豊かな時間を過ごしたのだろう。
今ではこんな技術も暇も無くなってしまったであろう、貴重な建築物を守って行くことは素晴らしい。感謝!
今度は谷吉さんにガイドをお願いし、この集団主催の別荘ツアーに参加したいと思う。

帰りは、その脇道から上がることができる三ヶ岡ハイキングコースを歩くことにした。
‘つつじコース’から上がっていくと、頂上近くに写真のように満開のつつじが迎えてくれた。
その山から見る海の景色は、週末カヌーに乗りながら見た山の景色と丁度反対!
「Interesting!!」