先日、オオシオカラトンボの幼虫と同じ場所で捕れたミヤマアカネの終齢幼虫です。旭川市を含む「道北地区」では、おそらくオオシオカラトンボと同じで、温泉地でのみ見られる赤トンボです。典型的なアカネ型のヤゴで側棘が短く、形体的にはヒメアカネ幼虫と似ています。通常、今時期の北海道でアカネの終齢幼虫が捕れることはまず無いのですが、温泉地という条件が本種幼虫の孵化、成長を早めたのだと思われます。
シオカラトンボ、シオヤトンボ幼虫ととても良く似ていて、かなり紛らわしいです。しかし、北海道では本種は温泉地を主な生息地としており、温泉が僅かに流入するような小川やそれに関連した小さな溜まり、池沼に生息しています。よって、前2種とはほぼ生息環境で棲み分けがなされていますが、局地的にシオカラトンボ、シオヤトンボとの混棲地が見られるので、そのような場所では背棘があればオオシオカラ、シオヤトンボで、終齢幼虫はオオシオカラが一回り大きく、背棘が無ければシオカラトンボということになります。若齢、中齢幼虫ではほとんど見分けがつきません。