憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

箱舟  ☆☆1(№15)

2022-12-17 13:17:32 | 箱舟 第三部

その日を境に私の生活は、急変した。

箱舟をかきあげた私はそれを世にだすことをあきらめた。

なぜか、急激に、出版への意欲がうすれていったのだ。

それは、おそらく私の中にはいった寄生物の操作に他ならないと思えた。

彼らが人類に寄生するエネルギー体であること、

そして、彼らがまず、実験的に人類にはいりこんで、

仲間を誘導していくこと。

このモデル実験に選ばれた人間はかなりいる。

編集長もそうだろう。

そして、ゴーストライターだった彼女もそうだった。

ゴーストライターだった彼女は

この寄生体の存在を公開しようと試みた。

その結果に訪れたのは死ではなかったのだろうか?

彼女はどこまで、寄生体を認識していたか、さだかではない。

だが、私が寄生体に寄生される未来を予知したように

彼女もまた、予知したに違いない。

そして、彼女の箱舟を書いた。

彼女の中でおきたことはまた私のなかでおきたことだろう。

私は公開するとことを断念した。

それは、ひとつに、彼らが自分の存在を

いや、彼らの目的を公開することにつながるからだ。

彼らは地球人類の意識と精神に寄生しようとしている。

これを公開すれば、

地球人類はすべて、寄生体をあらかじめ

拒否できる。

いわば、吸血鬼に対抗する手段を持つという事だ。

だから、「存在を公開することを赦さない」

いや、

「本当の目的を公開することを赦さない」のだ。

 

私の中にはいりこんだ寄生体は、

私の意識を操作している。

「公開させたくない」

と、いう念を私の意識の中に送りつけている。

だけど、それならば、何故、公開される危険性のある、私やゴーストライターに

寄生しなければならなかったのだろう。

地球への移星?

エネルギー体、いわば、エレメントである宇宙人は、

より、高等な思念をもつ生物であろう?

それが、なぜ、下等とも思える地球人に寄生するのだろう・・。

私はその答えに小さく声をあげた。

だからだ・・・。

そう思ったからだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿