最後の患者が部屋に入り、
ホルマリン浴槽の蓋があく音がすると、
明美は足を踏み出した。
明美がエレベータに向かい始めてるのを
兵士は推しとどめた。
「どこへいく。勝手な行動はゆるさない」
銃口が明美にむけられても
明美はへいきなかおをしていた。
「撃つなら撃ちなさい」
兵士の威嚇は威嚇だけでしかないと
よみとったのか、
本当にうたれてもいいと、
おもっていたのかもしれない。
妙な気迫にけおされた兵士は
明美の足取りをおいはじめた。
「どこへいく?またないか?」
だけど、明美は兵士の言葉を聴こうとしなかった。
明美を押しとどめる事も出来ず兵士は
ただ、制止の言葉をかけながら、明美の後を追っていた。
一階のフロアに戻り、明美は診察室の扉をあけた。
診察室の中にあたしと佐々木先生が居るのをたしかめると、
明美はまだ、あゆんでいった。
その明美を見ていた
哲司を撃ち殺した兵士が
何かをさっしたのだろう。
後をついて歩く兵士に
「オレがみておく」
と、明美の監視を交代したんだ。
明美をむさぼった男は
すくなからず、明美への情をもったのかもしれない。
情を持った女の行動が男には読み取れたのかもしれない。
明美はそとにでると、
庭の隅にある物置小屋を目指した。
そこには庭箒やスコップなどが入れてある。
明美はスコップを手に取ると
庭の隅を目指して歩いた。
外に倒れたままの哲司のなきがらを
土に埋めてやる気だったんだ。
「やっぱりな」
男はつぶやいて、
自分もスコップをもって、明美の
後をおった。
だけど・・。
明美はその男の手なぞ
かりたくもなかっただろう・・・。
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