ー行くが良いー
義父、スサノオの言葉にオオナモチは、目を見開いた。
ーそれは・・・つまり・・-
多くは語るまいと、スサノオは、懐に手をくむと、黙ってうなづいてみせた。
ー確かに・・・-
今、スサノオの娘である、すせり姫の私心をはばかっている時ではない。
間違いなく、アマテラスは、奴奈川一帯を掌握する。
ぬながわひめが、翡翠により、民の信頼と崇拝を集めていることが
アマテラスには、一番目障りである。
ただの掌握でおさまらない。
アマテラスは人心を掌握できないのなら、ぬながわひめごと、それを信奉する存在をにぎりつぶそうとするだろう。
ひいては、スサノオとオオナモチへのアマテラスの対処をぬながわひめにあてはめたにすぎない。
いずれ、動き出すだろう、アマテラスの動きを一時、延ばすだけの布石にしかならないかもしれない。
ー出来うる限り早く、製鉄処をつくりあげることだー
スサノオの進言にオオナモチは、スサノオもまた、この先の運命を予測していると知った。
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