世の中の理不尽

新型コロナの影響でオンライン勤務が進み、リアルに顔を合わせないことが増えてきた。
当然に通勤ラッシュも緩和される。既存の社員はそれでよい。
だが、新入社員はどうなってしまうのか。
日経ビジネス誌に興味深い記事があった。

◆集合教育の意外な効果
　長時間拘束するだけの研修も、先輩風を吹かされるだけのOJTも、能力や意欲、定着率の向上への強い効果は期待できない
　というのが、最近の教育傾向だ。
　コロナもあって、より効率的なオンライン教育プログラムの開発が進むことだろう。
　だが社会には、世の中には、理不尽なことが多く転がっている。
　正しいことを正しいと主張するだけでなく、頭を下げてやり過ごすことも必要な場面だってある。
　評判の悪い従来型の集合教育は、まさに理不尽を体験できるプログラムでもあるのだ。

　学生気分から社会人モードに切り替えるためにも、新人の既存の価値観を突き崩す洗礼が必要らしいのだ。
　スマートな教育を受けた人材は恐らく率直に育つ。
　今まで以上に成長が早く、意欲の高い社員も増えるかもしれない。
　だが、今良くてもいつか社会の理不尽に直面したとき、耐性がないためぽっきりと心が折れかねない。
　不評の昭和型の新人教育を一部温存することも理不尽経験のひとつの道らしい。
　たしかにおいらも、新人は一番に出社して掃除をすませておけ、と学んだものだ。