ロッキード事件で評価を下げたのだが、田中角栄元首相は、庶民にとってとても魅力的だった。
彼の本音というか、直接的というか、根源的というかの言葉の一つがこうだ。
同意される方も多いことだろう。
◆成長の正体は失敗なんだ
「失敗はイヤというほどしたほうがいい。
そうするとバカでない限り、骨身に染みる。
判断力、分別ができてくる。
これが成長の正体だ。」
「今太閤」とも呼ばれ、権力の栄華を極めたかに見える角栄だが、その人生は苦労と挫折の連続だったそう。
寒村での生活、吃音、落選、逮捕、長男の死・・・
文字通り人生の修羅場を経験し、社会に揉まれに揉まれて、政界へ進出した。
その角栄が語る「失敗の効能」は、エスタブリッシュメントの官僚や、
世襲議員では、決して語り得ない説得力を持っていたと感ずる。
角栄は、他人の「失敗」にはとても寛容であったそうだ、むしろそれを克服しようとする姿を好んだ。
清濁併せのむ人間の強みでもあり、それが庶民に愛される理由でもあるのだろう。
もう少し首相を続けていただきたかった方だ。