<2017年1月11日に書いた記事をそのまま復刻します>
トランプ次期大統領
F・D・ルーズベルト大統領
アメリカのトランプ次期大統領のツイッターが話題になっているが、これを聞いて私は20世紀の偉大な政治家であるフランクリン・ルーズベルト大統領のことを思い出した。政治に興味のある方はむろん知っているだろうが、ルーズベルトは1933年に大統領に就任したあと、ラジオを使った「炉辺談話」を始めたことでも有名である。
ラジオは1920年代からアメリカで大いに普及したが、実はルーズベルトはニューヨーク州知事時代(1929年~1932年)に真っ先にそれに目を付け、炉辺談話に使っていたそうである。つまり、彼は当時の最新のメディアであるラジオを有効に利用していたわけだ。
そう考えると、トランプ氏も現代の最新のメディアであるインターネットを利用してツイッターなどをしているわけだから、ルーズベルトに非常に似ていると言っても過言ではない。もちろん、その是非は人によって評価が違うだろうが、最新のメディアを使うという点がそっくりなのだ。
ルーズベルトは炉辺談話で「ニューディール政策」を国民に直接訴え、成功したという。具体的には、最初の談話で大恐慌後の銀行への預金を国民に促し、銀行危機を救ったそうだ。同じように、トランプ氏のツイッターが効果を上げるかどうかは知らないが、すでに多くの反響を呼んでいる。
トランプ氏が、ルーズベルトのように偉大な大統領になれるかどうかは未知数だが、良し悪しは別として、彼が最新のメディアを有効に使っているのは事実だ。メディアを制する者が有利な闘いをするのは、歴史を見ても明らかだ。新聞やテレビが廃れることはないだろうが、インターネット・SNSをいかに有効に使うかも大事なことだ。
そういう意味で、トランプ次期アメリカ大統領のSNS対策に、大いに注目しよう。(2017年1月11日)