今回投稿した写真は15年も前のものだ。この時は、車で西上州南牧村のもっとも奥にある星尾にむかい、星尾峠をこえて荒船山に登った。
10月下旬とあって星尾の山の斜面は濃厚な秋の色に染め上げられていた。
線ヶ滝入口に向かう途中、上州のドロミテとも称される立岩が威容をみせる。
千ヶ滝入口にある駐車場に車を停め、星尾峠にむかって谷をのぼっていった。ほかには誰もいない。一人旅だ。
谷の両側にせまる斜面は爛熟の紅葉。北へと向う谷から振り返るので逆光がより効果をそえている。
峠への途中、振り返ると北西側からみる立岩も逆光気味になっていい感じだ。
日を浴びた反対側の斜面も赤から黄色に包まれている。この尾根の向こうは長野県佐久市。
峠へと登る道も黄色い落ち葉に埋め尽くされていた。
星尾峠からは遠く八ヶ岳や御座山が見渡せたが、この日は風もない小春日和とあってかすんでいる。
荒船山の台地を縦断して北端の艫岩に到着。浅間山もかすんでしまっている。
北西方面をみるとはるか遠くに白い影がみえる。北アルプスだ。
望遠でとってみたが、かすかに写ってくれた。鹿島槍ヶ岳と五竜岳だった。
帰りは来た道を戻る。山上台地はもはや落葉してしまって冬の装いだ。
そして峠から下り始めると秋へと戻ってきた。
帰りは寄り道して威怒牟幾(いぬむき)不動に立ち寄ってみた。
岸壁を背負った場所に小さな祠が祀られ、上からは滴るような滝が落ちていた。
15年も前なので写真に写っているところ以外のところはあまり覚えていないが、西上州の秋のよさが強い印象として残り、その後、季節をかえて西上州を訪れるようになったきっかけとなった山旅だ。