「組織について」の続きがなかなか書けないでいました。どうすればよかったのか考えていたのに、いつのまにか言い訳になっていることに気がつき「これではダメだ!」の繰り返しでした。
最終的な結論としては、サイエンスよりも組織との戦いに力を削いでいる状況にもっと早く気づき身を処すべきだった、ということです。そういう視点で、どうすればよかったのか、今言えることを書いてみます。
私は自分に被害が及ばないうちは積極的に動きませんでした。しかし、他人が罵倒されているのを見ているのは本当に嫌でした。それが自分の身に及ぶことが嫌なのはもちろんですが、他人が罵倒されていること、それを嘲笑しながら眺める人間のいること、そのような状況が嫌でした。これはいじめの起きている学校の教室と同じような心理状態です。
社会のどこにでもある問題だと思いますが、それを解決して行かなければ、真にクリエイティブな組織にはなりません。
あの時点で、この組織が発展的でないとの判断は十分にできたはず、というのが今痛烈な反省として心にあります。
その時点での選択肢としては
1)組織を去ることでなんらかの意思表示をする。
2)組織に残って何らかの改善を試みる。
があったのですが、結局どちらの道も取らず、
3)組織に残って自分の立場を温存する。
という立場を取ったのが私でした。つまり人を潰して行く組織の片棒を担いだ、わけです。
言い訳がないな、と正直思います。大変なのはどの選択肢も最終的には同じです。その時点でするべき努力をしなかったことには変わりありません。
2)の選択肢をしたとして、どのような試みが可能だったのか。
この間、しばらく考えていたのですが、あの強烈な個性のリーダーに対してはなかなか効果的なものが見当たらないのです。
アカデミアがその問題の方に対してとった方策は、といいますと
徹底的な「無視」でした。ある領域、組織に綴じ込め、そこから外へ出て来ないよう、少しずつ包囲網を固めていきました。その方はさらなる権威を目指し、何回か外へ出るトライをしていましたが、その度に阻まれました。ある組織へのトライの際、その組織内ではかなりの工作が行われたと聞いています。その組織内の某人をよく知る方が、徹底してその組織内で人々を説得して廻ったそうです。
ある時点で某人は他の権威へのトライをあきらめました。それは現組織で某人のその強烈な個性が必要となったこともあり、より権威と力のあるポジションへ引き上げたためです。
その後、明らかに内側への圧力は強くなり、状況は悪くなりました。そして同時に私も含め組織内の人間はさらに出口が無くなって行きました。肝腎のサイエンスはさらに低迷することになりましたが、組織体としては財務問題を解決することが優先課題であったため、サイエンスは犠牲となりました。組織的にはサイエンスはどうでもよいことになったのです。
私は幸いなことに、外に出る縁を頂いたのでそこから出ることができましたが、今もかなりの方があの組織の中で大変な思いをしています。何かできることはあるかと機会をうかがっていますが、今のところ手だてはありません。最終的には一人一人の判断だと思いますが、なんとかなって欲しいと願っています。
某人についてこれ以上書くことは現時点では控えておきます。結局、他人がどうこうではなく、自分がどうするかの問題だからです。組織に属する方の一人一人の決意と行動が積み重なり、適正な組織運営とリーダーの選択につながるのです。そこにマニュアルはありません。
真に自分自身の判断に任されています。そのことを胸に今後も組織について考えて行きます。