山代日記 ~神楽とか、田舎行事とか~

山口県岩国市錦町に伝わる上沼田神楽を中心としたブログ。
広域組織の山代神楽連絡協議会や農作業、田舎行事なども掲載。

神楽面

2011年07月15日 07時19分57秒 | 上沼田神楽

神楽で、その神の姿を表す「面」。

古くは木彫り面が主流だったが、いつからか知らないが、石見を中心に和紙による面が発祥し、その軽さ、扱い易さから、石見、芸北地方を中心にこれが主流になりつつある。
上沼田に残る面も全て和紙製で、浜田の方で購入している。
昔は2~3日かけて泊まりがけで買い出しに行っていたという。今でも車で1日仕事なんで、昔はそりゃ大変だったろうなーと察します。

こないだ、上沼田神楽の古い道具を収納している倉庫に入ったら、戦前のものと言う神楽面がでてきた。
もうかなり使い込まれていて、表面の和紙が剥がれているものも多かった。
今に比べたら丸形で、当時の志向が伺える。

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釜ヶ原神楽には、古い木掘りの神楽面が残っていた。
地区の古老が言われるには、価値が付けられないほどの貴重・重要なモノ。
道具や記録が残っているかどうかは、文化財としての「評価」にも影響します。地区の歴史そのものでもあるでしょうね。

高千穂神楽を見させてもらった時は、面を被るときに両手をあわせ、感謝(?お願い?)してからでないと被っていないようだった。
面を被ることでその神になるわけで、その面は神と同じ存在として扱われているんだなーと感心した。
それに比べてウチは・・・・・・・。

下の画像は、劣化した神楽面の複製を柿田神楽面工房に依頼し、届いた時のもの。
右が元の神楽面、左が新しい神楽面。

恵比寿と須佐之男命です。ほぼ同じ顔つきに、びっくりです。
神楽という伝統文化は、こういった道具にも支えられています。その道具の製作者もまた、生きる伝統文化なわけで、互いに頑張って活動していきたいものですね。

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