神社には「格」というものがあるらしい。そして、多くの神社が格高い神社から「分祀」されて増殖?している。
上沼田に昔あった「人麻呂神社」「多賀神社」なども、それぞれ島根県益田市、滋賀県多賀町にある本社が大元と思われる。なお、人麻呂神社は柿ノ本人麻呂(飛鳥時代の歌人)を、多賀神社は伊耶那岐命と伊耶那美命をそれぞれ奉っている(らしい)。
ところで、錦町に宇佐八幡宮という神社がある(岩国市指定文化財)。この宇佐八幡宮は、本社は大分県にある「宇佐神宮」である。この神社は、全国に4万社ある八幡宮の宋本宮にあたり、第15代天皇の応神天皇、第14代天皇の妻:神功皇后などを奉っている。
天皇家は、なぜか今でも伊勢神宮と宇佐神宮を特別扱いしているらしく、この宇佐神宮の由来に深い理由があるのでは、との噂らしい。伊勢神宮(正式名称は単に「神宮」)が神の代表格である天照大御神を奉っており、京の近くにあるのに比べ、宇佐神宮は場所は九州、祭神は第15代天皇と、ちょっと微妙。
一説によると、天皇の家系図は何回か異なる系列に変わっているとの説もあり、この第15代天皇のあたり(人を指すのではなく、出来事を指す)がその変化の時期と一致する。それが現在の天皇の祖であり、今でも祖の地を大切にしているのでは、との説もある。
行ってみると、何とも広大な敷地に立派な宮が立てられていた。大きな神社の特徴らしい内宮と下宮があるほか、敷地内には複数の神社が散らばっていた。
何故かこの宇佐神宮は出雲大社と同じ「二礼四拍一礼」の作法となっている。