上沼田神楽の歴史は古く、その起源は1717年以前ともいわれているが、定かではない。
道具とかを事細かに分析していけば、どこかに何らかの年号とかがあるかもしれないけど、なかなか足が重たく、未確認のまま年月が経過している。
どうやら歴代伝わる文献を誤って焼却したらしく、昭和56年に当時の錦町の文化財指定を受ける際に、かなり掘り起こして調べたが、明確には分からなかったという経緯からも、残る資料は乏しいようだ。
でも、大正-昭和生まれの古老たちが子どもの頃にはすでにあったことは確実なため、明治時代にはすくなくとも継承されていたっぽい。
そういう話を聞く時は、大体が酒の席のため、貴重な情報がアルコールと一緒に失われている可能性が高い。今後は録音が必要だな。
で、そんな上沼田神楽の衣裳。
昭和40年頃の中断、そして昭和52年の復活の中で、途絶えた演目とあわせて眠っている衣裳もある。
そんな衣裳の一部を今回、エネルギア文化・スポーツ財団の助成をいただき、復元することとなった。復元するのは下の画像の衣裳。
ぱっと見は現役衣裳にも見えるが、実際はかなり色褪せていて、刺繍も一部剥がれている様子。
主に天の岩戸のタマオヤノミコト、フトダマノミコトで着用する予定。
先日、島根県浜田市の福屋神楽衣裳店さんにはご挨拶に伺って、概要をお話してきた。
明後日、18日には、エネルギア文化・スポーツ財団による助成金の目録授与式があるとのこと。
ありがたい助成金を活用させてもらいながら、当時の神楽の復活に向けて頑張っていきます。