ポジャギアートYangja-pang

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KBF報告(番外編1)

2014-09-30 09:30:00 | KBF2014
なにやら茫然としている間に、9月が終わってしまいました。
この一カ月、いったい私は何をやっていたんでしょうか
なんだか、ものすごい勢いで時間が経っていきます。
KBF報告もイマイチ中途半端ですが、気を取り直して番外編をひとつ。

済州島最終日。プログラムは前夜で終了していたので、
飛行機の時間までフリータイムだぁ\(~o~)/
……というわけで、人里離れたホテルは早めにチェックアウトし、とっとと空港に移動。
荷物を預けて、念願だった「東門市場」探索にでかけました。


東門市場は済州空港から路線バスで15分くらい。東門ロータリーの目の前です。
もっとも、中は迷路のようだし、入り口はあちこちにあるので、
適当なところから入って楽しめます。アーケードなので雨にも濡れないし。


在来市場なので、広蔵同様、何でもアリですが
大きく、果物エリアと海鮮エリアに分かれています。
果物エリアのメインは何といっても「済州ミカン」(ただし旬は冬場)
ドラゴンフルーツもたくさん出てました!

朝鮮人参もあります。


魚も南国の色合いです。ぴかぴかのタチウオがずらっと並んでいるのも圧巻!
お造りになったものもあります。しっかし、量が多い……


海藻(?)と格闘するアジュマ


お腹が空いたので、市場内の食堂へ。
こちら、一人前のメウンタン定食です。メウンタンに各種パンチャン(キムチは当然)
生野菜にケランチムに粟ご飯がついて、なんと5000W!
申し訳ないけど、食べきれません……(@_@)


食堂のお姉さんに道を教えてもらって(通じたんですよ、これが!)
市場の奥の韓服エリアへ。
品揃えは少ないし、ソウルより高いけれど、まあ記念ですからね。
モシとオクサを少々購入。



チョゴリ制作中と、編み物に余念のないアジュマを撮らせていただきました。
写真ではよくわかりませんが、この模様編みがまた、おっそろしく細かい!
メリアス編みの部分も機械編みと見紛うほど揃っていて
すごいわ、アジュマ。もっとコミュニケーションとれたらよかったんだけど。

最後は、いかにも幸福そうに「成仏」しているテジ君に見送られて
東門市場を後にしました。



帰りがけに、ふと目についたダイソー(!)で、思わぬお買物を……
それについては、また今度(~o~)


KBF報告9(講義編)

2014-09-19 08:33:00 | KBF2014
柿渋はちょっと置いといて……(要は浸して洗って干すだけなので^_^;
今回はほとんど文字だけです。なので、面倒な方はスルーしてくださいね。

さて
「KBFって、ポジャギの新しい作り方でも教えてくれるんですか?」
と、何人かの方に訊かれたのですが、
残念ながら、それはほとんど期待できません(-_-メ)

KBFの主旨は、アートとしてのポジャギの可能性を広げることなので
WSがあることはありますが、それはあくまでもオプションに過ぎません。
(そのわりには時間をとってありましたが)
したがってレクチャーも、いわゆるプレゼンテーション形式。
作家はもちろん、キュレーター、研究者、ジャーナリスト、アートディレクターなど
世界各国でアートにかかわるさまざまな仕事をされている方々が
自らのお仕事とポジャギとの接点について、さまざまな視点から熱く語られました。





25日~27日の3日間は、午前中からお昼過ぎまで、
講師の皆さんがプロジェクターを駆使して入れ替わり立ち替わりレクチャーを展開。
以下、ざ~っとその内容を列挙いたしますが、このタイトルをご覧になれば
KBFの目指すところも、自ずからお分かりいただけると思います。
スクリーンの写真もばしばし撮ったのですが、光の具合であらかたが半ボケ
しかも人の頭は入るわ、手元はブレるわで、かなり悲惨な状況です(T_T)
そのよ~なわけで文字ばかりになってしまい、申し訳ありません。
なお、講師の氏名表記はレジュメに準拠し、韓国の方はハングルも併記。
肩書きはわかる範囲で訳してあります。タイトルの訳も拙くてすみません(_ _)

赤文字になっているのは、私が強い印象を受け、
今後もフォローさせていただきたいと思った方々です。


8月25日

Kim, Chan-Dong (김찬동/美術評論家 韓国学術会議特別研究員)
「ポジャギ──韓国のエコロジーと自然を包含する芸術」
Mi-Kyoung Lee(이미경/ユニバーシティ オブ アーツ(フィラデルフィア)教授)
「世界的なオペラシアターとのコラボレーション」
Kim, Ji-Hee(김지희/自然染色博物館館長 大邱カトリック大学校名誉教授)
「ポジャギにおける愛と、その国際的ネットワーク」
Marianne Penberthy(テキスタイルアーティスト(在西オーストラリア)
「私のポジャギ制作過程」
Brenda Sunoo(브랜다 백선우/フォトジャーナリスト(在米)
「潮の満干──済州島に生きる海のお婆ちゃんたち」
Rhee, Myungsoog(이명숙/建国大学校芸術文化学部学部長)
「韓国における鳳凰紋様の研究」
Lee,Chan Hae(이찬해/プノンペン国際芸術研究所所長 在カンボジア)
「プノンペン国際芸術研究所について」

8月26日

Lieland M. Hill (バージニア コモンウェルス大学カタール校教授)
「此方と彼方」
Marci Rae McDade(“Surface Design Journal”誌編集者(オレゴン州ポートランド)
「凶暴な繊維:インパクトあるテキスタイルアート展の運営」
Yolanda Sanchez(マイアミ国際空港ギャラリー館長)
「青に巻き込まれて」
Ham Jungsook & Shin Jihae(함정숙&신지해/ファイバーアート・フェア共同創立者(ソウル)
「ファイバーアート フェアについて」
Marri Anne frei(ロードアイランド造形大学)
「包み込まれる場所:日常体験における意味の回復」
Anna Maria Orban(ブカレスト国立芸術大学講師 在ルーマニア)
「青─黄─赤 ルーマニアからの初めてのポジャギ」

8月27日

Gyu Ho Jong(정규호/清州ビエンナーレ ゼネラルマネジャー)
「清州ビエンナーレ ホジャギプロジェクト」
Jiyoung Chung(정지영/Joomchiアーティスト ロードアイランド造形大学)
「現代アートとしてのJoomchiの伝統」
Ursula Neuman(アーツ&デザイン博物館(ニューヨーク)
「ペーパージュエリーのご紹介」
Bernard Freyberg(デュケイン大学 哲学者)
「ポジャギ その美しい帰郷」
Nancy Crasco(テキスタイルアーティスト(在ボストン)
「東から西へ:私の旅」
Karen Searle (テキスタイル ソサエティ オブ アメリカ(在ミネアポリス)
「北米で展開されているテキスタイルの試み」

あ~疲れた(^_^;)
とりあえず、今日はこれにて
ここまで目を通してくださった方、ありがとうございました\(~o~)/

KBF報告8(柿渋編1)

2014-09-08 10:01:00 | KBF2014
まずは、このカッコいいおばさま もとい、お姉さま方をご覧ください。



レクチャーの間のひとこま。
いまや柿渋染めの有名店として、どのガイドブックにも掲載されている
「モンセンイ」(몽생이)の製品による、プチファッションショーです。
こういった素材やデザインの服を素敵に着こなすのは至難の技で、
だいたいが蓑虫というか菜っ葉服というか、なんというか小汚くなってしまいがちですが
さすがアーティストの皆さん、すっかり自分のスタイルにしていらっしゃいます。

KBFでは今回、3つのワークショップが用意されていました。

1.モンセンイのオーナーにして柿渋匠のヤン・スンジャ氏による柿渋染め
2.Joomchi(一種の韓紙)の製作、
3.チェ・インスク氏による袱紗作り。

柿渋染めかJoomchiか激しく迷ったあげく、柿渋染めを選択。
時間と手間のかかる柿渋染めの、ほんの一端を覗いただけではありますが
シルクの柿渋染めと、コットンの梔子+柿渋染めの2種類を体験させていただきました。
WSの様子については、また改めてご紹介しますが
その前に、まずは皆さまお待ちかねの「お買物タイム」!



海岸に程近い「モンセンイ」の店舗には、
柿渋製品が「これでもかっ!」とばかりに積み上げられています。
ディスプレイ的には、もうちょっとど~にかしたほうがいいんじゃないかと思いますが
洋の東西を問わず、お買物大好きなお姉さま方にとってはパラダイス。
あれやこれやと、まあひっくり返すこと、着替えること、迷うこと(^_^;)



お店を入ったところには、このよ~なお人形もありました
(120000ウォン……ちと高いね。全体的にこちらの製品はお高めです)



私は製品より布のほうが気になって仕方がない……
でも、当然のことながらここは布製品の店舗ですから
素材となる布については、殆ど置いてありません。
それでもヤン・スンジャ氏のご厚意で、モシとセンミョンジュを少し頒けていただきました。
しか~し! 考えることはやっぱりどの国でも皆同じなのね。
私がモシのロールを手にしていると、お姉さま方が脇からわらわらと寄ってきてさぁ(^_^;)
「あらヨーコ、それ素敵な色ね。私は3メートル」「私は5メートル」「私も少し!」
ってな感じで、どんどん布が減っていくのよぉ(爆)
……で、結局、残ったのを私が買い占めちゃうことに(~o~)

こちらが、その戦果。いい色でしょう?(左の包みはWS参加者へのお土産)
純正・柿渋のモシに、蓬をかけたスモーキーグリーンと、深い焦げ茶のセンミョンジュ。
この3色に、東門市場で買ったオクサ(たぶん)をアクセントに合わせて
“Memory of Jeju”を作るつもりです……ふふふ、楽しみ(*^_^*)



お店の前には、なんとも味わい深い色の布が干してありました。



実はこの写真を撮ろうとして、足元のわずかな段差に気づかず
モノの見事に転倒して大騒ぎのお粗末も(T_T) 
掌の擦過傷と、右手首の軽い捻挫(まだちょっと痛い)に見舞われましたが
幸い、その後のスケジュールには何の支障もなく
翌日からのワークショップに臨むことができました。
そのお話は、この次に!



KBF報告7(作品展6)

2014-09-06 11:36:00 | KBF2014
ようやくたどり着いた最後の会場は、Papa Space Gallery.
ここで、刺繍の名匠、ユ・ヒスン氏の作品に出合うことができました。
そしてさらに、ユ・ヒスン氏ご自身にも!



一緒に何度か写真も撮らせていただいたのに、画像が1枚もないということは
たぶん、他の人のカメラに収まっているのでしょう。
もうこのあたりでは悩乱状態で、何が何だかわからなくなっています。
ユ・ヒスン氏は、ご存じ「Kの庭」のななさんの師匠でもいらっしゃいます。
6月に赤坂の「張家」で、ななさんが行われたデモンストレーションのお話をしたら
とても喜んでくださいましたよ~(*^_^*)

このギャラリーにはなぜか伝統と超モダンが混在していて
韓紙やJoomchi※を素材とした作品などが展示されていました。





こちらは壁ではなく、背の低い台の上に置く形で展示されていたもの。
すでにOverviewでも紹介されていましたが、これは、その一部なのかな?



紙を素材とした分野は、今後さらに発展していくことと思います。
でも、前回も展示されていた(らしい)韓紙のトゥルマギもあったりしましたから
展示となると、まだちょっと数が揃わないのかも……
個人的にはとても興味のある素材ですが、なにしろそこまで手が回らないっ!

……というわけで、おっそろしく駆け足ではありましたが
2014年度KBF“Bojagi & Beyond”作品展のご報告とさせていただきます。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

しか~し! KBF報告はまだ終わりません。
時々「小休止」を挟むかもしれませんが、
さらに「WS(柿渋染め)」「レクチャー」「番外」と、話は続きます。
気長にお付き合いのほど、お願いいたします(~_~;)


※“Joomchi”は「韓紙を使った伝統的な繊維およびその染色法」で、
韓紙を水に浸し、フェルトのように縮絨させることによって強化し、
布と同様の素材として使用するものです。
KBF主催者の1人であるJiyong Chung氏は、この分野のエキスパートであり
今回はレクチャーおよびワークショップも担当されました。
非常に興味深かったレクチャーの内容については、
後日また改めてご紹介しようと思います。




KBF報告6(作品展5)

2014-09-05 10:22:00 | KBF2014
今回KBFに参加した大きな目的の1つは、
憧れだったChungie Lee氏にお目にかかること。
まだ参加するかどうか迷っていた頃、力強く誘っていただいたメールと
我が子(O Bang Saek“Red”)を挟んでの氏との記念写真は、私メの宝物なので
恥ずかしながら公開!



私の右隣にかかっているのは、参加にあたって言葉に尽くせぬほどお世話になった
サンフランシスコ在住の作家、Youngmin Lee氏の作品です。

Youngmin Lee氏を中心にFB友のChang Hae Hong氏とのスリーショット。
私メのおかげで、小柄な彼女が隠れちゃってますね。申し訳ない…(T_T)



Youngmin氏の作品は全部で3つあったので、そちらもご紹介。



さらにもう1人!
こちらもかねてより憧れの人であった、Leonie Castelino氏。彼女のサイトはこちら⇒
前回の図録で彼女の名前を発見し、ひょっとしてお会いできるかもと期待していたので
ご本人を目の前にしたときは嬉しかった~!(^^)!




連作“HOMAGE TO HAENYEO”(海女讃って感じでしょうかね)は
柿渋染めのBrenda Sunoo氏およびSoonja Yang氏との合作ということですが
今回は、作品そのものよりご本人のほうが迫力あったかも(^_^;…すみません)

言い忘れていましたが、こちらはGallery Nori
外国人作家のものがわりと多く展示されていました。
中でも今回のKBFを通じて、私メが最も感銘を受けた作家がこちら↓



オーストラリアのMarianne Penberthy氏です。彼女のサイトはこちら⇒FBもあります。
自然の染料、泥染め、絞り染め等々と駆使した紙に
さらにステッチを(ミシンではありますが)施した作品群。
実際には、巨大な蝿帳(!)のようなオブジェもありましたが
この方のレクチャーがまた素晴らしかったので、もうちょっと頭を整理してから
稿を改めてまたご紹介したいと思います。




他にも興味深い作品がぞろぞろ。




このような人たちと作品に出合いたくて、はるばるやって来たのだなあと感涙にむせびつつ
キリがないので、このへんで……
次は最後のPapa Galleryへ。ここでも素敵な出会いがありました\(~o~)/