ポジャギアートYangja-pang

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遺されたもの

2016-07-19 08:41:00 | ポジャギ2016
10年来、中野の教室に通ってくださったTさんが逝去されました。
数年前からご病気を抱えていらしたにもかかわらず
ポジャギづくりはずっと楽しんでいらっしゃいました。
たとえペースは遅くとも、じっくり、丁寧に制作を続け、
昨年末には、モシに薄絹でくり抜きをほどこしたタペストリーを完成。
その後、ちょうど作り始めた頃に中断を余儀なくされ、
ずっとそのままになっていた如意珠紋をぜひ完成させたいと
少しずつ針を進めていらしたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。

先日、几帳面に整理された端切れや糸、小物類とともに
その如意珠紋が私に託されました。



なにしろ針目の美しい方でしたから、私などが引き継いでは申し訳ないのですが
ここは何としても形にして、年末の作品展に出品させていただきたいと思います。
配色の雰囲気がTさんとは違ってしまいますが、そこは「合作」ということで
たぶんTさんも赦してくださるでしょう。



コウモリは何色にしましょうか? 
なんとなく白がいいかなと思っているのですが(*^_^*)

作りかけのケブルノリゲも遺されていました。
このサトゥギ、縫っておられた時のことを私はよく覚えています。
なにしろミシン糸50番(!)で、細かく、細かく縫っていかれるので
ケブル1つにどれだけ時間がかかったことか……



これほど美しく密なサトゥギを縫われる方を、私は他に知りません。
こればかりはとても引き継ぐというわけには……
私自身の「サトゥギのお手本」として、
未完のまま大切に保存させていただきたいと思っています。


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