最近物忘れがひどくなってきている。
たとえば、ブログで鳥について書こうと思い、パソコンを立ち上げている間に、何について書こうと思ったのかを忘れてしまう。
これはまだマシな方である。時間の単位で言うと1~2分という分単位だ。
秒殺がある。
何か調べようと思い、グーグルのページを開いた途端に調べる単語が分からないのである。
これは辛い。老化が確実に進行しているのが分かる。心の中では、「これは老化とは違う、きっと若年性痴呆症だ!いや、BSEに起因したnvCJDだ!」とか思う。いずれにしても病気なのだが、老化よりはと思うのである。
ところでこの物忘れだが、厭な記憶はなかなか忘れられないらしい。
中国・韓国では、日本が侵略したことを。
日本では、アメリカに原爆や空襲で無差別殺戮されたことを。
ヨーロッパでは、ナチスの侵略。
東欧ではソ連による軍事支配。
加害者になった場合は、都合の悪い記憶はすぐ薄れていくのだが・・・
よそ様の国に関しては知らないが、日本では加害者意識が非常に弱い、または無いとしか言えない。
それは人間の習性として仕方ないことかも知れない。
では、被害者意識は持っているかと言えば、なんだかそれも忘れてきたような気がする。
徴兵されて、ろくな武器も戦略も戦術もなく、玉砕という無意味な死を強いられた事を日本人は忘れているのではないだろうか?
学部時代の研究室の教授は、南方での生き残りの方だったので、戦地での苦労話を何度かされたことがあった。
戦後の政府は、過去の軍部や政府の責任を追求し、何が問題で誰の責任であったかを総括し、国民に説明しなければならない。
さて、この課題というか宿題を出したのは国民であるが、政府は提出せずにいる。
もしかして、宿題があったことを忘れているのではないだろうか?
私も子供の頃、夏休みの宿題をサボって提出しなかった事がある。
その時の言い訳は、「宿題を出されていたのをすっかり忘れていて、気が付いた時には既に提出期限を過ぎていました。」というお粗末な言い訳しか出来なかった。
こんな時、「先生が宿題を出したことを忘れていてくれたらなぁー」と思ったりした。
そこではたと気が付いた。
もしかして、宿題を出した国民が出したことを忘れている。あるいは、宿題を出すこと自体を忘れているのではないだろうか・・・・