今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

4月29日・再議決前日

2008-04-29 21:48:54 | 商店会長のコメント
明日(4月30日)自民、公明の与党はいわゆるガソリン税を再議決します。もちろん私も賛成票を入れます。

原油高であえいでいる一般庶民の現状を無視してガソリンの値上げをするのか!という御意見をよくお聞きしますが、この暫定税率分欠如が国の財政と地方自治体に及ぼす影響の方がはるかに大きく危険だと認識しました。

市区町村まで含めた地方自治体は新年度の予算執行を保留したり、凍結したりしています。私の友人の商工会経営指導員さんから「地域商業活性化のために予定していた専門家の派遣事業が凍結になりました。商店街の代表なら、地方自治体が悲鳴を上げている事を正確に見て、早く動いて下さい」と訴えて来られました。

4月11日に「道路特定財源は平成20年度までとして来年度からは一般財源とする」「道路中期計画は10年ではなく5年とする」等の総理大臣コメントを福田首相は出されました。昨日は公明党の大田代表、自民党福田総裁のお二人が署名された、上記の趣旨が記載された与党合意文書が出されました。

「現在出されている法案と整合性の取れないコメントを出すなら法案を出し直せ」という御意見も民主党サイドでは有るようです。それなら審議の中で修正すれば良いのではないでしょうか。審議を拒否して、ただただ混乱を画策し政局にするこのやり方は政権政党になろうと思っている組織のする事ではありません。

実体経済が極端に悪化している現在、これから法案を修正してまた予算の執行を6ヶ月待つような事が起こったら国家が本当に危うくなるのです。憲法に明記されているからと言って三分の二の議員数を使っての再議決が憲政の常道だとは思えませんが、混乱を招く事に本意の有る組織との対応では毅然と、そして粛々として動く事が肝要だと、私は理解しています。
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輸入された米国産牛肉に特定危険部位が

2008-04-29 07:08:49 | 商店会長のコメント
遅ればせながらですが表題についての私の思いを書かせていただきます。

牛海綿状脳症(BSE)というのは別名プリオン病とも呼ばれています。プリオンというのはタンパク質の異常変異で、これが蓄積すると脳がスポンジ(海綿)のようにスカスカになります。そこで海綿状脳症と言われるのです。

この異常変異したプリオンが蓄積されるのは脳、目、脊柱、回腸、神経節という普通は食用に供されない部分に99%以上が蓄積されます。そこで、牛肉のこの部分を「特定危険部位」と言います。

昨年8月、伊藤忠商事が牛丼チェーン最大手の吉野家向けに米ナショナルビーフ社から輸入した米国産牛肉700箱のうち1箱に特定危険部位が除去されていない、背骨(脊柱)付きの肉が入っており、それを吉野家の工場で見つけ残りの699箱とともに処分した、というのが4月23日の報道内容です。

米ナショナルビーフ社の社長は「日本への輸入の条件に反したものが含まれていたことを残念に思う」という日本語で書くと他人事のようなコメントを発表しています。米国では月齢30ヶ月未満の牛ならば日本で危険とされている部分でも取り除く必要がないので意識の奥では「なに面倒くさいこと言ってるんだ」と思っているのではないでしょうか。

私は東京のお肉屋さんの組合員で役員もやらせていただいています。お客様がどれだけ「食の安心と安全」に注意を持ち、商品の選別の時に重要視しているのかも知っている立場だと自負していますし、料理研究家で医学博士の服部幸應先生からお呼びかけいただいた本日(4月29日)が最終日の「おいしい食卓展」(新宿高島屋)にもその思いが有ったので日本中のお仲間を誘いました。

今回は、ルール通りに仕事をしなかった米国側に全ての問題点が有ると私は思います。しかし何故、特定危険部位と言われる所を除去していないだけで処分するのでしょうか。異常変異したプリオンが、蓄積されている特定危険部位から流れ出て肉に浸み込んでいると思われているのでしょうか。問題の無かった699箱も一緒に輸入されたから危険だと思ったのでしょうか。

私は東京の肉屋ですから米国産牛肉よりも、育てている人の顔の分かる国産牛肉を売りたいと思っています。しかし、大新聞でさえも記事の中で「危険な牛肉」と平気で書かれている現状と対応には、「もったいない」という意識を強く持った親に育てられた世代として違和感を覚えますし、何か恐ろしい物が入って来たかのように騒ぐよりも、BSEの正確な情報と外国での常識が日本のルールにどれだけ合っていないのかを知らしめ、この機会に食料自給率を上げる方向に舵を切るべきだと思えてなりません。
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