何年経っても、いつまでも心に残っている映画がある。
『シベールの日曜日』(セルジュ・ブールギニョン監督、1962年)。
10代後半に劇場で観ていても、なぜかNHKテレビの放映で観たという記憶の方が強かった作品である。
10年ほど前から、是非もう一度観てみたいと思ってネット検索してみると、当時中古ビデオでもプレミアムが付いていて、とても手が出せなかった。
そのまま渇望した思いを抱いていたら今から6年ほど前に、やっとDVD化される情報を知り、予約申し込みをして念願のこれを手にした。
パリからほど近い町ビル・ダブレ。
インドシナ戦争で記憶を無くしトラウマの中で生きるピエールは、寄宿学校に入るためこの町へとやってきた少女に出会う。
少女の孤独に自分と通じるものを感じたピエールは、看護師の恋人マドレーヌが仕事でいない日曜日ごとに少女を連れ出し、湖のほとりでふたりだけの時間を過ごす。
しかし、周囲の人々はそんな彼らを怪訝なまなざしで見ていた・・・・
(DVDパッケージより)
たぶん、パイロットとしてひとりの少女を射殺してしまっただろうと意識する、その過去も消え去ってしまったピエールの記憶障害。
そして、親に見捨てられてしまった12歳の少女フランソワズの孤独。
その二人が偶然とはいえ、出会うことによってふたりだけの世界を作る。
ピエールが仮の名のフランソワズに、「名前は?」と聞く。
あの教会の風見鶏を取ってくれたら、本当の名を教えてあげると言う。
愛情に飢えているフランソワズは、おしゃまでピエールに対して恋人気取り。
その淋しさを押し隠した姿が天真爛漫そうでいて、傍から見ていじらしい。
そのフランソワズに、過去を思い出さない孤独なピエールが寄り添う。
本当に、二人だけの至福。
それを他人は、傍目で何気なくいぶかしむ。
自分に理解できない、よくわからない人、そのような相手に異常者というレッテルを貼って納得したつもりの人たちがいる。
決して、悪い人たちではないけれど、善人ぶった裏にある傲慢さがわずかに透けてみえる。
その結果、どうなるか。
そんな純真無垢のふたりに、他人はどのような取返しの付かないことをしたのか。
クリスマス・イブのささやかなフランソワズのプレゼント。
本名は「シベール。ギリシャ神話の女神の名なの」。
ラスト。シベールの「私にはもう名前がないの」と、泣きながらいう絶望に対して、私たちはどう言葉を返したらいいのか。
シベールのその後のことに思いを馳せると、いつまでも悲しみが心に響く。
そして、少女“パトリシア・ゴッジ”の愛らしい面影と、池の周りの風景画のような美しい景色が、脳裏から離れない。
『シベールの日曜日』(セルジュ・ブールギニョン監督、1962年)。
10代後半に劇場で観ていても、なぜかNHKテレビの放映で観たという記憶の方が強かった作品である。
10年ほど前から、是非もう一度観てみたいと思ってネット検索してみると、当時中古ビデオでもプレミアムが付いていて、とても手が出せなかった。
そのまま渇望した思いを抱いていたら今から6年ほど前に、やっとDVD化される情報を知り、予約申し込みをして念願のこれを手にした。
パリからほど近い町ビル・ダブレ。
インドシナ戦争で記憶を無くしトラウマの中で生きるピエールは、寄宿学校に入るためこの町へとやってきた少女に出会う。
少女の孤独に自分と通じるものを感じたピエールは、看護師の恋人マドレーヌが仕事でいない日曜日ごとに少女を連れ出し、湖のほとりでふたりだけの時間を過ごす。
しかし、周囲の人々はそんな彼らを怪訝なまなざしで見ていた・・・・
(DVDパッケージより)
たぶん、パイロットとしてひとりの少女を射殺してしまっただろうと意識する、その過去も消え去ってしまったピエールの記憶障害。
そして、親に見捨てられてしまった12歳の少女フランソワズの孤独。
その二人が偶然とはいえ、出会うことによってふたりだけの世界を作る。
ピエールが仮の名のフランソワズに、「名前は?」と聞く。
あの教会の風見鶏を取ってくれたら、本当の名を教えてあげると言う。
愛情に飢えているフランソワズは、おしゃまでピエールに対して恋人気取り。
その淋しさを押し隠した姿が天真爛漫そうでいて、傍から見ていじらしい。
そのフランソワズに、過去を思い出さない孤独なピエールが寄り添う。
本当に、二人だけの至福。
それを他人は、傍目で何気なくいぶかしむ。
自分に理解できない、よくわからない人、そのような相手に異常者というレッテルを貼って納得したつもりの人たちがいる。
決して、悪い人たちではないけれど、善人ぶった裏にある傲慢さがわずかに透けてみえる。
その結果、どうなるか。
そんな純真無垢のふたりに、他人はどのような取返しの付かないことをしたのか。
クリスマス・イブのささやかなフランソワズのプレゼント。
本名は「シベール。ギリシャ神話の女神の名なの」。
ラスト。シベールの「私にはもう名前がないの」と、泣きながらいう絶望に対して、私たちはどう言葉を返したらいいのか。
シベールのその後のことに思いを馳せると、いつまでも悲しみが心に響く。
そして、少女“パトリシア・ゴッジ”の愛らしい面影と、池の周りの風景画のような美しい景色が、脳裏から離れない。
上映当時、洋画に凝っていて、ほとんど毎週見に行っていました。
特に小学生のころは、毎日もらうこずかいをためて、毎週見に行きました。この頃は東映の時代劇だったような気がします。
「シベールの日曜日」「誓いの休暇」等が記憶に残っています。時代は前後しますが、「死刑台のエレベーター」のモダンジャズや小道具として使われた当時では珍しいダンヒルのガスライター、そしてジャンヌモローの美しさなどとても記憶に残っています。
フランス映画もよかったな。
特にジャンギャバン、リノ・バンチェラなど、そしてアラン・ドロンの「太陽がいっぱい」の吸い込まれそうな瞳の色が印象的でした。
ピエトロ・ジェルミの「鉄道員」「刑事」、「シェルブールの雨傘」、「男と女」等々語れば尽きぬ昔の映画です。
「シベールの日曜日」、NHKで放映されたもの、待ちに待った放映でした。ガッチリとって、コレクションにしました。
久し振りで昔を懐かしく思い出しました。
ありがとうございました。
「シベールの日曜日」はいつまでも心に残っていて、今でもパトリシア・ゴッジの顔が知らないうちにふっと甦ったりします。
よくよく考えてみますと、子供が主役(特に少女)なっている作品が、どうしても忘れようがない記憶になっているようです。
題名を挙げて頂いた作品は、鮮明に場面の数々を覚えています。
みんな素晴らしい作品でした。
特に「誓いの休暇」は、知名度が低いかなと考えていましたので、題名を聞いてとっても嬉しかったです。
これらも、いずれ記事にしたいなとも思っています。
コメントありがとうございました。
この映画、記憶にはっきり残っています。
何とも複雑な感情が残りました。もう一度見たいな・・・
不思議ですね・・・この記事にコメントを入れられた偶然。
よろしければ読者登録させて頂いて良いでしょうか。
よろしくお願いいたします。
やはりこの映画、いろいろな人に印象が残っているのですね。
10年ほど前、このビデオをネットで探していた時、すごくマニアックな人がいて、ビル・ダブレのあの池の周りをシベールとピエールがここをこう歩いた、とかいう記事を自分で撮った写真入りで紹介してありビックリしました。
(今でも検索すると、出てくるかもしれませんので、もう一度探してみるつもりです)
読者登録はこちらからもさせてもらいますので、よろしくお願いします。