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大阪市立東洋美術館で開催中の「黄金時代の茶道具―17世紀の唐物」に昨日伺った。開催期日は平成27年4月4日(土)から6月28日(日)迄である。本年の友の会会員証の意匠に選ばれた東洋陶磁美術館所蔵の国宝「油滴天目」や、その他の数多くの名品とともに、日本医学中興の祖、曲直瀬道三先生所有の緑色の釉薬の天目茶碗、「蓼冷汁天目」(京都国立博物館蔵)が展示されていた。曲直瀬道三先生は、織田信長の診察を行なって信長が切り取った正倉院所蔵の名香、蘭奢待(らんじゃたい)を下賜された、桃山時代の医聖でかつ一流の文化人である。末尾にこの蘭奢待が記された『山上宗二記』の一節を掲げる。眼福にあずかった後は、今月も三谷和男先生御主催の遊漢方臨床談話会に出席した。
ちなみに蓼であるが、生薬名「水蓼(すいりょう)」、ヤナギタデ(ホンタデ、マタデ)Polygonum hydropiper L.が基原植物で、薬性は辛、苦、平、帰経は脾・胃・大腸経に属する。効能は行滞化湿、散瘀止血、祛風止痒、解毒であり、湿を取り除き血を巡らせて下痢、腹痛、関節痛、月経痛などを治し、湿疹や毒邪咬傷にも有効とされている。
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此外五十種ノ香トテ異名色々あり木
所も色々の品あり但し武辺
隆正に宗易宗久拙子名香
の聞様相尋之時右之十六種
相極候堺にハ惣別香の道
三人の外ハ知たる者なし京にも
此四人なり
(中略)
医師道三 香ニテハなく候先寺以来
ランシャタイ持来られ候
真に無双の正名なり
五島美術館監修図版目録『山上宗二記 天正十四年の眼』, p170
第四章、影印翻刻『山上宗二記』(齋田記念館本)
所も色々の品あり但し武辺
隆正に宗易宗久拙子名香
の聞様相尋之時右之十六種
相極候堺にハ惣別香の道
三人の外ハ知たる者なし京にも
此四人なり
(中略)
医師道三 香ニテハなく候先寺以来
ランシャタイ持来られ候
真に無双の正名なり
五島美術館監修図版目録『山上宗二記 天正十四年の眼』, p170
第四章、影印翻刻『山上宗二記』(齋田記念館本)