『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想348  ①サピエンス全史 ②幸せなひとりぼっち ③偽りの名画

2025-02-10 07:57:22 | 小説その他

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福の画像

①サピエンス全史                    面白さ(5点満点):☆☆☆☆

著者:ユヴァル・ノア・ハラリ       生年・出身地:1976年・イスラエル

出版年:2011年         邦訳出版年:2023年(文庫版)      邦訳出版社:(株)河出書房新社

訳者:柴田裕之

コメント:解説によれば本書は世界的なベストセラーになっているという。ホモ・サピエンスが人類、並びにすべての動物界の頂点に立つに至った過程と未来を展望している。250万年前に登場した人類はわかっているだけでも6つの種があったという。それが7万年前の認知革命によりホモ・サピエンスが外の人類を絶滅に追い込み覇者となったという。「私たちの言語が持つ真に比類ない特徴は、人間やライオンについての情報を伝達する能力ではない。見たことも、触れたことも、匂いを嗅いだこともない、ありとあらゆる種類の存在について話す能力があるのは、私たちの知るかぎりではサピエンスだけだ。・・・虚構、すなわち架空の事物について語るこの能力こそが、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っている。」そしてマンモスなどの大型動物の絶滅もホモ・サピエンスが追い込んだという。目次はホモ・サピエンスの歩みにそって展開される。1.認知革命 2.農業革命 3.人類の統一 4.科学革命。現在、生物工学の発達により、天才マウスがつくられたり、マンモスやネアンデルタール人を復活させようという試みがある。それは超ホモ・サピエンスへの道を開くことを可能にする。著者は序で次のように述べている。「1,2世紀後には、ホモ・サピエンスはおそらく姿を消し、地球の支配者は、チンパンジーから私たちがかけ離れている以上に、私たちとは違った存在となるだろう。

 だが、私たちサピエンスには、重要な問いに答える時間が依然として残っている。

 その問いとは、私たちは何になりたいのか、だ。

 そして、自分の欲望さえ操作できるようになる日も近いかもしれないので、人類が直面している真の疑問は、私たちは何を望みたいのか、なのだ。」

戦慄するほど恐ろしい書である。

 

②幸せなひとりぼっち                    面白さ(5点満点):☆☆☆

著者:フレドリック・バックマン               生年・出身地:1981年・スウェーデン

出版年:2012年             邦訳出版年:2016年      邦訳出版社:(株)早川書房

訳者:坂本あおい

コメント:孤独に生きている老人が亡くなった妻の下に行こうと自殺を試みているときに、向かいに若い夫婦と2人の子どもの一家が引っ越してくる。困っている一家の手伝いをしたり、いじめられている野良猫を助けたりしているうちに、周囲がにぎやかになってくる。

心温まる物語。 

 

③偽りの名画                      面白さ(5点満点):☆☆☆

著者:アーロン・エルキンズ                生年・出身地:1935年・アメリカのニューヨーク

出版年:1987年             邦訳出版年:2005年      邦訳出版社:(株) 早川書房

訳者:秋津知子

コメント:サンフランシスコの美術館学芸員クリス・ノーグレンは名画展を手伝うためにベルリンに派遣された。その名画展の出品された絵画は第二次世界大戦中にナチスに略奪され、戦後返還されたもの。その名画展の主任が「この中に贋作がある」と主張し、不可解な死を遂げる。クリスはその死と贋作の謎に挑む。

いろいろな有名な画家の名作が登場し、その含蓄だけでも面白い。


                 


欧米・アジア・日本のドラマ備忘録(2025年)47

2025-02-02 21:32:31 | テレビドラマ

ヘチ 王座への道|ドラマ公式サイトの画像ヘチ

①哲仁王后                      面白さ(5点満点):☆☆☆☆

制作年・国:2020年・韓国               主演:シン・ヘソン

コメント:大統領官邸のシェフを務める青年が、食糧の横流しに気づき、その上官によって屋上から落とされ池に落ちる。そのまま意識不明のまま入院している。しかし、朝鮮時代の池に落ちた王妃の体に魂が入ってしまい、現代に戻ろうとするができない。奇想天外で面白い。

②事件                        面白さ(5点満点):☆☆☆☆

制作年・国:2023年・日本               主演:椎名桔平

コメント:有罪判決を下した直後に被告人が自殺した過去をもつ元裁判官は、今弁護士事務所にいる。スナックの女性経営者が幼馴染によって刺殺される事件の被告の弁護を担当することになる。過去の事件と同じく被告人は語らない。弁護士にとってもトラウマを乗り越えることができるのか、難しい。

③オールドルーキー                 面白さ(5点満点):☆☆☆

制作年・国:2022年・日本              主演:綾野剛

コメント:元Jリーガーのサッカー選手が引退に追い込まれ、スポーツ選手のマネージメント会社に入る。いろいろなスポーツ選手を「アスリート ファースト」の精神で助ける。どの人もいい人なので食い違いはあっても決定的な敵対関係は生まれない。ドラマとしては少し物足りない。

④ザ・グローリー                  面白さ(5点満点):☆☆☆

制作年・国:2022年・韓国              主演:ソン・ヘギョ

コメント:高校時代いじめられて中退させられた女の復讐。いじめが常軌を逸している。見ていて楽しくはない。

⑤ヘチ~王座への道                 面白さ(5点満点):☆☆☆☆

制作年・国:2019年・韓国              主演:チョン・イル

コメント:母親の身分が低いために、後継者から外れていた王子が弟や兄が死んで王座に就くことになる。最初から敵対する王子がいかにも悪で、何度も失脚するが、最後まで悪として出てくる。悪としての存在感がすごい。

 

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